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山形県東部に残る「死後婚」の風習 ムカサリ絵馬に込める思い

「早くして亡くなった子供を不憫に思い、親が描かせたんですね」と話す若松寺の鈴木純照教務=山形県天童市(柏崎幸三撮影)
「早くして亡くなった子供を不憫に思い、親が描かせたんですね」と話す若松寺の鈴木純照教務=山形県天童市(柏崎幸三撮影)
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ムカサリ絵馬師

 明治期のムカサリ絵馬が数多く残る黒鳥観音には絵の苦手な奉納者に代わって描く、ムカサリ絵馬師といわれる人がいる。

 「私自身は霊能師ではありませんが、描かされて絵を描いている」と話すのは、黒鳥観音別当の槙寿広さん(63)。

 槙さんはこれまで、奉納者に会うことなくムカサリ絵馬を描いてきた。「私は亡くなった子供の写真なども見ません。描こうという気持ちになってから描くのですが、不思議なほど似ているといわれます」と話す。

 もう一人のムカサリ絵馬師、高橋知佳子さん(47)は、小さいころから死者の霊が見えたという。修行を経てムカサリ絵馬師になった。

 「亡くなった子供の相手となる人は生きている人を描いてはいけないという原則がある。実在する人を描いて連れていかれてしまった(亡くなった)人がいたと聞いているからだ」といい、結婚相手には架空の人を描くことにしている。

 高橋さんは、若松寺の紹介でムカサリ絵馬の依頼を受け、今年8月にも1点奉納した。遺族から写真をもらい、頭の中で亡くなった子供の魂に語りかけ、ボールペンやアクリル絵の具を使い、ケント紙などに描いていく。

 高橋さんは「亡くなられた方の供養にもなるムカサリ絵馬を描き、魂のお手伝いをしていきたい」という。奉納者と故人だけでなく、自身もムカサリ絵馬を描くことで魂が救われると信じている。

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