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福島の複合災害 語り継ぐ 東日本大震災・原子力災害伝承館オープンへ

来館者が最初に入る「プロローグシアター」。展示の導入となる動画が4分流れる=福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館(芹沢伸生撮影)
来館者が最初に入る「プロローグシアター」。展示の導入となる動画が4分流れる=福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館(芹沢伸生撮影)
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 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故で甚大な被害を受けた福島県双葉町に20日、「東日本大震災・原子力災害伝承館」がオープンする。今年3月に全町避難が一部解除され、県外からの来館者も迎えることができる。資料や映像、語り部の講話など、震災と原子力災害の記憶の風化を防ぐ情報を発信するとともに、防災や減災にも役立てたい考えだ。開館を前に特別な許可を得て内部を見た。(芹沢伸生)

 施設は地上3階建て延べ床面積5256平方メートルで総事業費約53億円。ここでは福島県だけが経験した原子力災害をしっかりと伝えることを理念にしている。地震や津波、原発事故に関わる資料の保存も行っている。これまでに約24万点が収集され、このうち約170点を館内に展示している。

 展示方法については、来館者が震災と津波、原発事故の複合災害を「自分の身に起きたこと」としてとらえ、考えるきっかけになるよう、工夫を凝らした。内容は適宜、入れ替える計画という。

 入館者が最初に足を踏み入れるプロローグシアターで見るのは4分間の動画。福島県出身の俳優・西田敏行さんがナレーションを務めている。地震や津波、原発事故の映像などを交え、展示に触れる前の「導入」とした。その後は、災害の始まり▽原子力発電所事故直後の対応▽県民の思い-などを時系列に沿って紹介。プロローグを含め、展示は6つのゾーンで形成されている。

 展示品は多岐に渡る。福島第1原発の重大事故を知らせた第1報となるファクス(複写)は「特定事象発生通報(原子炉施設)」のタイトルで「全交流電源喪失」を知らせている。発生時刻は「平成23年3月11日15時42分」で、送信時刻は午後4時。発信者は発電所長、通報先は経済産業大臣、福島県知事と原発が立地する大熊、双葉の両町長となっている。

「災害の始まり」のコーナーでは原発事故に至る経緯が細かく紹介されている=福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館(芹沢伸生撮影)
「災害の始まり」のコーナーでは原発事故に至る経緯が細かく紹介されている=福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館(芹沢伸生撮影)
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 災害対策本部の記録のパネルには、原発の緊急事態を受け、原子力災害現地対策本部を立ち上げたものの、拠点施設のオフサイトセンターが被災して機能せず、緊急対策をとるのが困難だったことなどが記されている。

 また、原発事故で長期間立ち入りが制限された学校に、事故当時のまま残されていたランドセルなども展示された。学用品の数々から、避難が長期にわたる原子力災害の現実が伝わってくる。

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