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不織布マスクの素材「夢の繊維」の染色確立、広がる可能性

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ポリプロピレン繊維で作ったカラフルな布と染料=福井市の福井大
ポリプロピレン繊維で作ったカラフルな布と染料=福井市の福井大
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 軽量で速乾性が高いなどの利点から「夢の繊維」と呼ばれてきたポリプロピレン(PP)繊維。一般的な染色方法でうまく色が付かないことが普及の妨げになっていたが、福井大、金沢工業大、染料メーカーの有本化学工業(大阪府八尾市)がこのほど、共同研究で、ポリプロピレン繊維用の染料を開発した。染色方法が確立されることで、ファッション分野などにも活用の幅が広がりそうだ。

長年注目されたが…

 ポリプロピレンは汎用(はんよう)樹脂の一つ。比重0・92で水に浮くほど軽く、吸湿しないため速乾性が高いうえ、耐熱性、酸やアルカリの耐薬品性にも優れている。酸化と紫外線には弱いものの、添加剤でその弱点もカバーできる。

 身の周りでは、収納ケースや容器など多くの樹脂製品に採用されており、新型コロナウイルスの感染拡大で注目された不織布マスクにも使われている素材だ。

 その特長を持つ繊維だけに「夢の繊維」と期待されてきたが、汎用性の高さに反し、繊維として活用するには大きな課題があった。繊維の一般的な染色方法「水系染色技法」では色が付かないことだ。

 顔料を練りこむ「着色」はできるが、そうすると繊維が太くなって肌触りが損なわれ、色の数も限られる。このため、ファッションには不向きな繊維とされてきた。

 この課題に挑んだのが、福井大、金沢工業大、有本化学工業の3者による今回の共同研究開発だった。

気体でも液体でもない

 今回ポリプロピレンの染色技法として採用されたのは福井大が長年研究してきた「超臨界二酸化炭素染色」と呼ばれるもの。120度の高温、25メガパスカルの高圧で二酸化炭素を気体でも液体でもない状態「超臨界流体」にし、その中に繊維を浸して染色する方法だ。

 研究を主導する福井大の堀照夫客員教授は「貴重な水資源を使わず、嫌われ者の温暖化ガスである二酸化炭素を有効活用する染色技法」と説明する。通常、繊維の染色には各工程で大量の水を使い、それが廃水となり、大きな環境負荷が生じる。だが、超臨界二酸化炭素染色なら水を使わないために廃水はなく、環境保護の面でも優れている。

 現在はポリエステルの染色で用いられることが多い手法で、共同研究では、ポリプロピレンとの親和性が高く、色落ちしない染料の開発を推進。黄色は既存染料の改良で、赤と青の2色は新たに開発し特許を取得した。この3色を基本に、新染料7種類から販売する予定だ。

新製品誕生の期待

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