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【アメリカを読む】反米イランとベネズエラが再接近、トランプ政権の制裁強化で思惑一致

ガソリンを積んでベネズエラに到着したイランのタンカー=2020年5月25日(ロイター)
ガソリンを積んでベネズエラに到着したイランのタンカー=2020年5月25日(ロイター)

 米国の制裁を受けて経済的に困窮する中東のイランと南米ベネズエラが関係強化の動きを活発化させている。反米という点でかつて意気投合していた両国の関係は、政権交代で一時は疎遠となったが、ここにきて中南米での影響力回復を狙うイランと、恒常的なガソリン不足を補いたいベネズエラの思惑が再び一致。強化した制裁をかいくぐろうとする両国の動きに、米国は神経をとがらせている。(ワシントン 住井亨介)

■過去最大量の石油押収

 米司法省は8月14日、ベネズエラに向けて航行していたイランの石油タンカー4隻を拿捕(だほ)、積み荷の石油約110万バレルを押収したと発表した。タンカーは、米国が「外国テロ組織」に指定しているイラン革命防衛隊が運航しており、石油は数百万ドル(数億円)相当、米政府による押収量としては過去最大だった。

 イランは今年5月以降、タンカー5隻を使って約150万バレルのガソリンなどをベネズエラに供給。制裁網を潜り抜ける行動にいら立った米国は、5隻の船長を独自制裁の対象に加えた。

 ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を誇りながら、経済制裁による資金不足などから精製施設が老朽化し、深刻なガソリン不足に陥っている。4月末には、イランのマハン航空の航空機がベネズエラ西部の空港に到着し、精製施設の整備のための物資や人員を送り込んだとされる。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、「専門家は精製施設の早急な復旧は見込めないとみている」と伝えているものの、ベネズエラ側も制裁をかいくぐろうと必死だ。

 米ブルームバーグ通信によると、イランへの帰国便には9トンの金塊(約5億ドル相当)が対価として積み込まれたという。

■反米左派政権と連携

 イランとベネズエラの関係は、1960年に石油輸出国機構(OPEC)をともに創設した時にさかのぼる。

 米ブッシュ(息子)政権時代に国防副次官補などを歴任し、現在は共和党系のシンクタンク「国際共和研究所」のシニアアドバイザーを務めるスティーブン・ジョンソン氏が米外交誌フォーリン・ポリシー(電子版)に寄稿した論文によると、1979年の革命で反米のイスラム体制を成立させたイランは、キューバ、ニカラグアに接近。米国の影響力拡大を阻止するため両国の左派独裁政権と連携した。

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