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ヒット作続々 〝本家〟に迫る「少年ジャンプ+」の成長力とは

漫画アプリ「少年ジャンプ+」を表示したスマートフォン
漫画アプリ「少年ジャンプ+」を表示したスマートフォン

 集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+(プラス)」が急成長を続けている。多くのオリジナル作品が連載されており、「SPY×FAMILY」(スパイファミリー)などの人気作を生み出してきた。1日当たりのアクティブユーザー(利用者数)は130万人。出版社の漫画アプリとしては最多レベルで、若手漫画家の育成の場としても機能する。リリースからまもなく6年。“本家”の「週刊少年ジャンプ」に迫る存在感を発揮している。  (文化部 本間英士)

目標は「ジャンプ」超え

 「『週刊少年ジャンプ』を超えるヒットを出すということを目標に、オリジナル漫画づくりを行ってきました。一定の成果は上がってきていると思います」

 ジャンプ+の細野修平編集長はこう手応えを語る。

 “業界の顔”である紙のジャンプを超える作品を-。ジャンプ+はこの壮大な目標を掲げ、平成26年9月に始まった。当初は夢物語だとみる向きもあったが、最近は現実味を帯びつつある。

 実際、ジャンプ+発の話題作は多い。一昨年から昨年に話題になったのが、篠原健太さんの「彼方(かなた)のアストラ」(全5巻)だ。宇宙を舞台にしたこのSF冒険譚は、紙では「ボツ企画」となり連載に至らなかったものの、ジャンプ+で人気作となった経緯がある。昨年、いわゆる「ウェブ漫画」としては初めて「マンガ大賞」に輝いた。

 最近の話題作といえば、やはり昨年3月に始まった遠藤達哉さんの「SPY×FAMILY」だろう。夫はスパイで妻は殺し屋、娘は超能力者…という、盛りに盛った設定のスパイ漫画だが、3人が物語を通じて「本物の家族」になっていく様子が読む人の心を温めてくれる。幅広い読者の支持を集め、単行本の累計発行部数は既刊5巻で550万部以上。驚異的な売れ行きを記録している。

 もう一つの人気作が、江戸時代末期を舞台に「死罪人」という異色の主人公を描いた賀来ゆうじさんの「地獄楽」(既刊11巻)。過激な敵キャラクターとのバトルアクションや人間ドラマを描いた同作も話題を呼んでおり、累計発行部数は250万部を超えた。

若手育成の場

 注目すべきは、ジャンプ+が若手育成の場としても機能している点だ。

 現在、週刊少年ジャンプで人気の話題作「チェンソーマン」(既刊8巻)を連載中の藤本タツキさんは、28年から約2年間、ジャンプ+でダークファンタジー「ファイアパンチ」(全8巻)を連載。実力と知名度を上げた。ジャンプ+の編集部は若手発掘に力を入れており、漫画ファンからの熱視線も集めている。

 いま最もフレッシュな人気作は、7月に始まった松本直也さんの「怪獣8号」だ。舞台は「怪獣」が来襲する架空の世界。夢破れた大人が、幼馴染と再び夢に挑戦する…という話かと思いきや、そう一筋縄にはいかない。先読みできない展開がネット上で話題を呼び、旋風を巻き起こしている。毎週金曜の更新日にはSNSなどで感想が飛び交い、閲覧数は毎話100万を超えるという。

 題名とは正反対の異世界ギャグ漫画「姫様“拷問”の時間です」(春原ロビンソンさん原作・ひらけいさん漫画、既刊3巻)も人気。先月、「次にくるマンガ大賞 2020」のウェブ漫画部門で2位に選ばれた。

オリジナルが大事

 読む媒体は紙からスマートフォンなどの画面に移りつつあっても、やはり読者は新しく、面白い作品を求めるものだ。続々と人気作が出る理由について、細野編集長はリリース時から「オリジナル漫画」を配信し続けてきたことを強調する。

 「乱立する漫画アプリの中でも、オリジナル漫画が大事だとアプリ運営者も気づき始めています。そういう意味でも、(漫画アプリが登場した)初期からオリジナルにこだわってきた姿勢を評価いただいているのかもしれません。『ジャンプ+は面白い漫画が読める場所』という認識も読者の間で広がっているのではないか、と」

 まもなくリリースから6周年。立ち上げ時から関わる細野編集長は「手応えを感じていますが、まだ足りない」と考える。年末に予定するリニューアルで、「ヒットの確率を上げられるように改修する予定」だという。

 「変わらずオリジナル漫画にこだわっていきます」と細野編集長。現在の週間アクティブユーザーは260万人。これに対し、「(配信する)曜日ごとのヒット作を出し、週間アクティブユーザー1000万人を目指します」。具体的な数字を示したうえで、目標の「ジャンプ超え」を見据える。

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