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多くの横綱や名力士を輩出した「相撲王国」青森県 関取ゼロに現実味

相撲の競技人口の減少に危機感を覚え、アマチュア相撲界の奮起を促す今靖行さん=青森市(福田徳行撮影)
相撲の競技人口の減少に危機感を覚え、アマチュア相撲界の奮起を促す今靖行さん=青森市(福田徳行撮影)
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 同様の傾向は青森県に限らない。昔から相撲が盛んな北海道と東北出身の関取は、現在、福島県2人、岩手県、山形県がそれぞれ1人。約30年前に7人いた北海道は1人だけ。

 アマチュア相撲を統括する日本相撲連盟によると、小学生から社会人までの競技者登録数は平成10年に7684人だったが、昨年は4121人と約20年間でほぼ半減。26年には3446人にまで減ったこともある。

 競技者減少の背景について、今さんは、少子化やスポーツや趣味の多様化に加え、時代の変遷に伴う日本人の生活の豊かさを挙げる。「昔は体格が良ければ大金を稼げるとして相撲を選んだが、今は違う。飽食の時代にあってハングリー精神が希薄になっていることもあるのではないか」と話す。

垣根を越えて

 競技人口の減少で、アマチュア相撲界は相撲場の整備や大会運営費の調達など多くの課題を抱える。今さんは「力士が減っているのはずいぶん前から分かっていたこと。対策を怠ってきた面もあるのではないか」と手厳しい。対策として、元力士らによる巡回指導を通じ、相撲の普及と地域に眠っている“金の卵”を発掘する、地域と関係団体が一丸となったシステムの構築を提言する。

 青森県板柳町で幼稚園児から中学生まで19人に週に5日、相撲を教えている中里高教諭の高橋道尊(みちたか)さん(46)も相撲人気の低迷を嘆く一人だ。高橋さんも、相撲人口の底辺拡大に向け「プロ、アマ角界全体で危機感を共有し、対策を講じることが重要。個人の努力だけでは無理」と言い切る。

 人材発掘に比較的成功している例が埼玉県にある。プロや大学などに多くの力士を輩出している高校相撲界の強豪、埼玉栄高相撲部だ。全国の中学生大会などに関係者を派遣し、角界入りを見据えた有望な選手を積極的に勧誘、全寮制で心身両面でバックアップしているという。同連盟は「学校が相撲に理解を示し、スカウト網もしっかりしている」とみている。

 日本の国技・相撲は、幾多の苦難を乗り越えながら歴史を彩ってきた。相撲人気を回復させるためにはプロとアマの垣根を越えた抜本的な対策が求められている。

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