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地表は60度超、灼熱の鳥取砂丘で起きた熱中症死

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気温「40度」と表示された鳥取砂丘入り口。右の47%は湿度
気温「40度」と表示された鳥取砂丘入り口。右の47%は湿度
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 年間110万人が訪れる観光地「鳥取砂丘」(鳥取市)。そのほぼ中央部の通称「長者ケ庭」で8月17日夕、観光客の男性が倒れて亡くなっているのが見つかった。鳥取県警の調べで、死因は熱中症と推定された。長い砂丘観光の歴史の中で、だれも「記憶にない」というショッキングな事態。“灼(しゃく)熱(ねつ)”の砂丘で何があったのか。

「観光客の命を最優先に」

 「ここ数年の暑さは異常。このままだと死者が出ると警告していた」

 「景観保全も大事だが、観光客の命を守ることを最優先に考えないと」

 熱中症死の発生から10日が経過した8月27日、鳥取市内で開かれた「鳥取砂丘未来会議」。砂丘の将来を考えるために集まった産学官の有識者からは、熱中症による死亡事案に対する意見が噴出。衝撃の大きさをうかがわせた。

 鳥取県警鳥取署や県によると、事案の概要はこうだ。8月17日午後6時ごろ、鳥取砂丘で男性が倒れているのを観光客が発見し、消防に通報。同署員と消防隊員が駆け付けたが、男性は死亡していた。調べでは、死亡した男性は40代の観光客。この日の同市の最高気温は35・2度で、男性は帽子はかぶっていたが、水筒やペットボトルは見つかっておらず、死亡推定時刻は同日午後とみられるという。

 鳥取砂丘は東西16キロ、南北2・4キロと広大だが、観光地とされている場所は天然記念物の指定エリアとほぼ重なる。その面積は約146ヘクタールで、東京ドーム31個分の広さだ。男性が亡くなっていた長者ケ庭はそのエリアのほぼ中心にある。

砂丘入り口「40度」

 8月下旬、現場を歩いた。午前11時過ぎに砂丘入り口に立ち、設置されている温度計を見ると、気温は「40度」。市街地の気温より3~5度は高い。立っているだけで汗が噴き出す。

 現場に向けて歩き出したが靴に入りこむ砂が熱い。砂丘の巡視などを行っている鳥取砂丘レンジャー詰め所で聞いた話を思い出した。

 「15日に砂丘の砂の表面温度を測ったら61度あった」

 15日は事案発生の2日前。最高気温は35・8度、終日晴れという、ほぼ同じ気象条件だった。

 砂丘は起伏が大きい。現場の長者ケ庭は大きな起伏の底に近い場所にある。細かい起伏を上ったり下ったりしながら、出発から約10分で現場に到着した。日差しをさえぎるものは何もない。

 帰りは、観光客が歩くとすればこの道だろうと推測した、「馬の背」と呼ばれる尾根道を通ることにした。海岸に沿って東西に続く高台。海の水面からは50メートルほどの高さで、長者ケ庭からはだらだらの上り。風が止まるとたまらない暑さだ。頻繁にのどが渇き、水筒に何度も口をつけた。東に進むと、馬の背頂上に向けて大きな起伏を上ってくる中年の男女が見えた。何度も立ち止まり、ハンカチで汗をふいている。

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