PR

ニュース プレミアム

【日本語メモ】ヒット曲は飛ばさないで

 今の世の中はヒット曲が出にくい時代と言われています。嗜好が多種多様化し、老若男女、全てに通じるヒット曲というのはイメージしにくくなっています。レコードやCDが売れ、ミリオン、ダブルミリオンといった時代もありましたが、今は配信やサブスク(定額制)などと多様化し、ヒットが見えにくくなったともいえるでしょうか。

(1)1980年代に多くのヒット曲を飛ばした。

 「ヒット」は「当たり」の意味。「新曲がヒットする」「大ヒットを飛ばした」という使い方があります。ヒット(当たり)は飛びますが、曲そのものは飛びませんよね。そこで例文は「ヒット曲を出した」と直しました。 ちなみに、産経新聞は和暦表記ですが、1980年代はそのままにすることもあります。◯◯年代は時の流れを区切ったひとまとまりなので、1980年代を昭和55年代とするのは、5年で区切るというのがすっきりしないように感じます。

 (正解例)1980年代に多くのヒット曲を出した。

(2)若い頃、不世出の鬼才と絶賛された。

 「鬼才」や「奇才」を冠することができる人物は、人によってさまざまに思い浮かべるでしょう。「きさい」は主に「奇才」「鬼才」「機才」の3通りの使い分けがあります。「奇才」は「世に珍しいすぐれた才気、才能。また、その才能を持つ人」(大辞林)。「鬼才」は「人間のものとは思われぬほどのすぐれた才能~」(同)。一方、「機才」は「機敏な才気」(同)。産経ハンドブックの用例では「不世出の~」と形容する場合は「奇才」を使います。「世に珍しい」という意味からもこちらを使うのが妥当でしょう。ほかに、優れた才能を示す表現としては、「天才」「偉才」「異才」「英才」「秀才」「俊才」など数多くあります。使い分けはなかなか難しそうです。

(正解例)若い頃、不世出の奇才と絶賛された。

(3)被告は、まんじりともせず判決理由を聞いていた。

 「まんじりともせず」は「一睡もしない」という意味。平成25年度の「国語に関する世論調査」によると、正しい意味の「眠らないで」と答えた人は28.7%、誤用の「動かないで」と答えた人は51.5%。

 なぜ「動かない」と思い込んでいる人が多いのか。文化庁のウェブ広報誌「ぶんかる」では、「まんじりともせず」は小説などで夜の場面に使われ、「床には就いたものの不安や考え事のせいで眠れずにじっとしている様子がうかがわれ、動き回るような状況は想像しにくい」ため、「じっとその場を動かないという意味合いに感じられてしまうのかもしれません」と分析しています。

(正解例)被告は、身じろぎもせず判決理由を聞いていた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ