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【近ごろ都に流行るもの】「下味冷凍レシピ」 時短や節約…「おいしく保存」の安心感

「下味冷凍 スピードおかず」の一例。「鶏もも肉のマーマレードワイン漬け」をベースに多彩な料理ができる
「下味冷凍 スピードおかず」の一例。「鶏もも肉のマーマレードワイン漬け」をベースに多彩な料理ができる
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 食材の冷凍というと、味が落ちるイメージが根強かったが、おいしく保存する生活の知恵として「下味冷凍」が今年注目されている。肉や魚を調味料とともに凍らせることで下ごしらえが済み、食べたいときに短時間でメインディッシュが完成! 節約やフードロス防止といったメリットも多く、レシピ本が売れている。自粛生活による家庭料理回帰など、コロナ禍による社会情勢の変化にもハマって、冷凍必需品のジッパーバッグには特需も起きている。(重松明子)

 料理研究家の石澤清美さんから、鶏もも肉の冷凍バッグをいただいた。マーマレードとしょうゆ、ローズマリーなどで下味が付けられている。

 自宅で解凍してソテーすると、プリップリの肉の弾力から下味のうまみがジュワー。残りはホワイトソースや赤ワイン煮など多彩にアレンジできるというから大助かりだ。

 料理研究25年。保存食がライフワークの石澤さんが8月に発行した「下味冷凍 スピードおかず」(主婦と生活社)で紹介しているレシピは鶏・豚・牛・魚の72種も。みりんしょうゆ、トマト塩オイル、レモン塩麹、梅みりん、カレーヨーグルトなど、漬ける調味料により味のベースが決まり、簡単にさまざまなメニューが作れる。ハーブやにんにくなどの香味野菜も一緒に漬け込むことで臭みが取れる一方、素材全体に味がいきわたり、調味料は少なめでOK。減塩にもなるという。

 「下味冷凍のストックをベースに、各家庭の味付けで料理していただくのが一番。無駄なく無理なく、毎日をまかなってほしい」と石澤さん。

「下味冷凍」を研究する石澤清美さん。手前は「鮭のレモン塩麹漬け」ベース=東京都目黒区(重松明子撮影)
「下味冷凍」を研究する石澤清美さん。手前は「鮭のレモン塩麹漬け」ベース=東京都目黒区(重松明子撮影)
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 研究のきっかけは、自身が主宰する料理教室での「冷凍できますか?」という質問の多さだった。「生徒のほとんどが共働き主婦。仕事帰りに毎日買い物に行けるわけでなく、帰宅後の調理時間も短い」。食材を腐らせずに済む安心感と時短調理を可能にする、下味冷凍に行きついた。

 節約志向を背景に、コストコなどの倉庫型店舗や業務用スーパー、特売日の大量購入が一般化。家庭用冷蔵庫の進化も目覚ましく、冷凍による食材の劣化も起きにくくなった。そこにきて今春は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による食品の買い占めが社会問題化。下味冷凍への関心は一気に高まった。

 最大のコツは空気を抜いて平らに保存することで、ジッパーバッグが必需品となる。

 トップブランドの「ジップロック」を展開する旭化成ホームプロダクツでは2年前から、ホームページで下味冷凍レシピを発信。「単なる時短ではなく、下味をつけることでおいしさもアップできることを伝えています」と担当者。同社によると、ジッパーバッグ市場はコロナ禍による自粛が始まった今年2月以降、前年比約1・5倍ペースで拡大している。

 日本で最も売れているファッション誌のリンネル(宝島社)最新10月号でも、「味漬け冷凍」を特集。「作り置きと違って出来立てが食べられる、画期的な保存法」として編集者が着目。料理家のtottoさんによる和、洋、韓国風などで下味冷凍した肉・魚料理を紹介し、「第2弾の要望が多数寄せられている」。

 同社では「冷凍王子」としてテレビにも出演する西川剛史さん(37)の「ぐぐっと時短&もっと絶品! 決定版感動の冷凍術」を6月に発行。7万部を突破する人気だ。冷凍によりうまみや栄養がアップする食材、素材別の冷凍方法やレシピを指南。大学で食品栄養学を専攻し冷凍食品会社で商品開発に従事した幅広い知識を持つ西川さんだが、今回は「下味冷凍」にも多くページを割いている。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の食料廃棄量は年間約13億トンに上る。食料全体の3分の1がゴミとなる一方、餓死する人がいるという矛盾。せめて生物の命を大切にいただくためにも、下味冷凍を習慣にしたい。

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