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【田村秀男のお金は知っている】「ポスト安倍」は消費税再増税をもくろむのか? 有力議員が信じて疑わない「財政赤字は将来世代への借金のつけ回し」

 新型コロナウイルスを完治した人でも、再感染するという香港大学の調査結果は衝撃的だ。夏が過ぎて秋、冬になっても感染の波が押し寄せるようだと、人の移動が制限されるために起きるコロナ不況がさらに長期化してしまう。とりわけ、日本の場合は長年の宿痾(しゅくあ=長年治らない病気)がある。消費税増税による慢性デフレ病だ。

 グラフは実質ベースの国内総生産(GDP)と正味の家計消費の前年同期比増減率の推移である。一目瞭然、家計消費は消費税増税のたびに大きく落ち込み、全体のGDPを大きく押し下げている。グラフからは読み取れないが、この4~6月期の実質家計消費の水準は1994年当時と同じである。家計消費は実に26年前に舞い戻ったことになる。

 消費税増税はリーマン・ショック(08年9月)という外的要因と同程度の衝撃がある。そしてリーマン後は回復力が大きかったが、消費税増税後は回復力が弱く、持続性に欠けていたことが分かるだろう。

 今回はこの消費税増税後でデフレ症が激しくなったところに、コロナショックに襲われた。コロナ禍が延々と続くと、さらに消費の落ち込み度合が深くなりかねない。

 最近は安倍晋三首相ら政府要人からは「アベノミクス」の言葉すら聞かれなくなったが、確かにこのデータからすれば物言う元気がなくなるだろう。だが、政府や与党には現実を直視し、自らの失敗をきちんと認める向きが少ない。ただひとり、安倍首相だけはそのことが分かっているかもしれない。

 日経新聞8月25日付によると、安倍首相は今月3日、基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年次を骨太の方針に明記しなかったことに、強い不満を抱く稲田朋美幹事長代行に向かって、「そんなことは無理だよ」ときっぱりはね付けた。

 稲田氏ら「ポスト安倍」の座をうかがう有力議員らは、消費税減税に強硬に反対するにとどまらず、コロナ補正のために膨らむ財政赤字を問題にして将来の消費税増税を念頭に置いている。「財政赤字は将来世代への借金のつけ回し」と信じて疑わないのだ。

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