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【石仏は語る】壮観の6基 それぞれに銘文 今西墓地六地蔵板碑 大阪府能勢町

今西墓地六地蔵板碑
今西墓地六地蔵板碑
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 能勢今西共同墓地は野面道(のづらみち)の斜面を登り、杉木立の山腹にあります。板碑(いたび)6基が立ち並んでいる風景は壮観です。石仏を刻んだ板碑は高さ約1・2メートル、幅約23~25センチ、厚さ約15センチを測ります。いずれも山形で横帯二段の額が入り、像の下部に高さ約32センチ、幅約17センチの舟形光背を彫り込み、その中に蓮華(れんげ)座上の地蔵菩薩立像を半肉彫りとする花崗岩(かこうがん)製です。銘文が入り、年号が入っている銘は1基だけですが、地蔵菩薩の持物(じぶつ)が異なります。それぞれの銘文の紹介をしましょう。

 奥まった所にある石仏阿弥陀如来一尊の板碑は、花崗岩製で高さ約1メートル、幅約25センチ。頂部を山形にし、横帯二段の額が入り、浅肉彫りの定印(じょういん)を結ぶ坐像で、南北朝時代中期の造立とみられます。

 右端から旗を持った地蔵立像には「右志者為、法界衆生、奉造立供、養之処也、應安二年、酉六月廿四日、道智如心敬白」とあり、南北朝時代中期の應安2(1369)年に造立したことがわかります。

 錫杖(しゃくじょう)を持った地蔵立像には「右志者為、七世父母、奉造立供、養之処也、如心敬白」と七世の父母のため、また錫杖・宝珠を持つ地蔵立像は「右志者為、道智逆修、奉造立供、養之処也、道智敬白」と自身の逆修(ぎゃくしゅ=生前、自らの供養をすること)のため、宝珠を持つ地蔵立像「右志者為、先考先妣、奉造立供、養之処也、孝子如心敬白」と亡き親のため、如心が造立しました。

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 合掌の地蔵立像には「右志者為、先考先妣、奉造立供、養之処也、孝子道智敬白」、宝珠を持つ地蔵立像に「右志者為、如心逆修、奉造立供、養之処也、如心敬白」とあり、道智と如心の2人が、両親や七世先祖、自身の逆修供養のために造立した六地蔵菩薩のめずらしい板碑です。

(地域歴史民俗考古研究所所長・辻尾榮市)

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