コスプレは自宅から…更衣室廃止で3密避けイベント復活

広島県を中心に開催されているコスプレイベント「コスカレード」が9月20日、広島市東区の市森林公園で今年初めて開催されることになった。毎年、年間10回程度行われているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続いていた。だが今回、換気の良い屋外を会場にしたうえで、3密(密閉、密集、密接)対策として更衣室を廃止する対策を実施し、開催にこぎつける。
「コスプレして出発」
「新型コロナの影響で、すべてのイベントが中止になった。クラスター(感染者集団)が発生しないように感染対策を万全にすることで、ようやく開催できるようになった」。こう話すのは、イベントを主催する河口(こうぐち)知明さん(70)だ。
コスカレードは平成22年から、旧日本銀行広島支店、広島城(いずれも広島市中区)などで年10回程度開催。毎回約100人程度の参加者でにぎわう。だが、今年は新型コロナの影響で軒並み中止となっている。
今回、参加者は中四国地方在住に限定。さらに、開催2週間前以降に感染が拡大している地域へ往来したことがある人の参加は不可とした。受け付けの際には体温測定をし、参加者登録も必要とする徹底ぶり。なかでも驚きなのは、コスプレイベントには欠かせない更衣室の廃止だが、河口さんは「着替えは車の中でやればいい。コスプレを着たまま自宅を出てもいい」とする。
広島市長に頼まれ
河口さん自身コスプレーヤーで、日本最高齢のコスプレーヤー「亀仙人」として知られる。久しぶりのコスカレード開催にあたっては、河口さんも新しいコスプレを手作りしているという。そんな河口さんは7月下旬、企画会社「ソアラサービス」が展開するユーチューブ番組「SO@(ソア)ラウンジ」にゲスト出演し、コスカレードを手がけることになった経緯などを語っている。
それによると、河口さんはもともとTシャツのデザインを手がける「アートディレクト」(広島市西区)を経営しながら、バイクレースや自動車などのイベントを手がけていた。
そんな約10年前、当時の秋葉忠利・広島市長から「広島は『平和』や『原爆』だけではない。多様な文化を発信するイベントをしてほしい」と声をかけられたという。そのとき、特にアニメに興味はなかったのだが、「コスプレイベント」の文字が目に入り、「市管理の公共施設で開催したい」と秋葉氏に申し入れた。
来年にもイベント企画