キャバクラも感染防止に本腰 山梨知事の「憤り」受け

甲府市のキャバクラで新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、山梨県の長崎幸太郎知事がこの店に「憤り」を表明した上で、他のキャバクラが感染防止策を講じないまま営業を続けた場合は店名を公表すると明らかにした。橋下徹元大阪市長が知事を批判するなど議論になる中、業界団体はようやく対策に本腰を入れ始めた。(渡辺浩)
橋下氏がツイート
「知事は営業した店を責めるのではなく、(補償金を支給する)法律を作らない政府与党と国会を責めよ!」。橋下氏は8日、自らのツイッターで長崎知事に言及した。
クラスターが発生したのは甲府市中央のキャバクラ「アムレ」。4日に従業員の20代女性の感染が確認されて以降、関係者計5人の感染が分かった。
山梨県は接待やカラオケを伴う飲食店への休業要請を続けている。休業協力金は支給していないが、感染防止指針を順守している店については休業要請を個別解除し、設備改修などへの支援制度を設けている。アムレは県に対策を提出せず営業を続けていた。
知事は7日の臨時記者会見で、アムレについて「極めて強い懸念と憤りを感じる。県民全体の命を脅かしかねない迷惑行為」と述べていた。
知事は大人の対応
橋下氏のツイートについて長崎知事はフェイスブックで、休業要請を個別解除する山梨方式を説明した上で、「橋下さんもこの事情を知っていただけたら、また違ったご意見になるのではないでしょうか」「多くの皆さまに山梨県のチャレンジに関心を寄せていただければありがたいと思います」と、正面から反論せずに大人の対応。
橋下氏は9日、フジテレビの報道番組「日曜報道 THE PRIME」に出演した後、ツイッターで「山梨県のチャレンジは理解しております。しかし今、議論してきましたが、緊急事態宣言前の特措法24条9項に基づく要請に無理があるのです」などと、特措法の不備を指摘して論争は収束した。