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美術館の番犬2匹が復活、きっかけは50年前の新聞記事

「ガード犬」として採用された「キヨ」と「ダイ」について報じた昭和46年1月19日付の産経新聞記事
「ガード犬」として採用された「キヨ」と「ダイ」について報じた昭和46年1月19日付の産経新聞記事
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 9月1日に開設50周年を迎える愛媛県美術館(松山市)が、新たにマスコットキャラクターとして2匹の犬「キヨ」と「ダイ」のデザインを採用した。実際の2匹は同美術館の開設当時にガードマンならぬ「ガード犬」を務めていたのだ。

侵入者にニラミ

 昭和46年1月19日付の産経新聞の愛媛版に、こんな記事が載った。

 《“百等級一号俸”-ランクはものすごく高いが、俸給は最低。こんな妙ちくりんな辞令をもらった“公務員”がいる》

 見出しには「辞令もらった“ガード犬”」「県立美術館を守る」「得意の鼻で侵入者にニラミ」とある。キヨとダイが美術館で活躍していることを報じたものだ。

 記事によると、キヨは犬好きの当時の同館次長、乗松茂さんが飼っていた雄のシバイヌ。45年4月から美術館で飼育されるようになったが、しばしば抜け出して乗松さんの自宅に帰っていたという。記事はキヨについて《持って生まれた番犬意識がむくむくと頭をもたげ、一カ月もすると“職場放棄”はすっかり影をひそめた》と書く。

 一方のダイ。12月初めに産経新聞愛媛版に掲載された「県立美術館守る“キヨ”」の記事を読んだ乗松さんの友人から、1匹では寂しいだろうと譲られた雌の紀州犬。《カンがすばらしくよく、一カ月足らずで、美術館十人の職員のにおいをすべて覚えてしまった》と記事にある。

鋭い嗅覚に期待

 当時の同美術館長で同県教育長の毛利正光さんが12月の記事を読み、「わが美術館にこんなすばらしい警備員がいたのか。番犬扱いはかわいそう。正式の職員に採用しようじゃないか」と発案。乗松さんと相談した結果、2匹の犬に「百等級一号俸」の公務員採用の辞令が交付されたのだった。

 乗松さんが2匹の犬を使おうと考えた理由を記事はこう記している。

 《戦時中、中国最前線の航空基地で飛行場隊長として“零戦”のおもりをしていたところ、軍用犬がしばしば、しつように忍びよってくるゲリラをその鋭い嗅覚でかぎわけ、勇敢に撃退して危機を救ってくれた印象が強く残っている。

 開館して日は浅い。収蔵作品は三十点ぐらい。それでも郷土出身の野間仁根画伯が寄贈してくれた「バラ」など百万円を越す作品が並んでいる。あいつぐ設備の盗難事件。ひょっとして不届き者が現れたら…。「そうだ。キヨを夜警員にしてやろう」》

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