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【柴門ふみの人生相談】後ろ向きな姉 どうしてあげればいい?

イラスト・千葉真
イラスト・千葉真

相談

 50代の女性。ネガティブ思考の姉についての相談です。

 遠方に住む姉とは時々、電話で話します。そのたびに姉は「子育てが終わって、私の人生も終わっている」などと、後ろ向きなことばかり口にします。 先日、三姉妹の一番下の妹が電話をかけると、姉は声が暗く、「自分の必要性が分からない」などと言い、最後には泣き出してしまったそうです。

 人のことをうらやむ発言も多いので、「せっかく子育てが終わったのだから、何か好きなことを始めたら」と言っても、姉は、「私なんかだめよ」と耳を傾けようとはしません。

 話を聞いて楽になるならと聞き続けても、姉はどんどん暗い深みにはまっていきます。どんな言葉をかければ、姉は前向きに人生を考えられるようになるのでしょうか。

回答

 ひとは、自分の話を聞いてくれる人にしか愚痴話をしません。

 相談者の方は、三姉妹のようですね。私の母も三姉妹の次女です。長女が養子をとって、祖母はその一家と暮らしていました。ところが近所に住む次女(母)のところに毎日のように現れては縁側に腰をかけ、延々何時間も長女夫婦の愚痴をこぼすのでした。それを相槌(あいづち)を打ちながら聞き続ける母に、幼い私(幼稚園ぐらい)は苛立(いらだ)っていました。なぜ愚痴や悪口を垂れ流す相手に注意もせず喋(しゃべ)らせっぱなしなのか、と。

 しかし年月が経(た)ち大人になるにつれ、私も母の行為が理解できるようになりました。相槌を打ちながら、実は母は祖母の話を全然聞いていなかったのです。それは、祖母が亡くなった後の三姉妹の集まりで判明しました。「ばあちゃんは愚痴ばっかりだったけど、内容は覚えてないわ」。母は姉妹にそう言ったのです。祖母があれほど悪口を吹き込んだ長女とも、ずっと仲良しです。

 母は、いかにも聞いていますと言ったふりして全く聞いていないことが多い人です。父に対してもそうでした。かなりいいかげんでひどい父だったにもかかわらず「いいお父さんだった」と今でも語ります。父が言ったことを覚えていないからです。

 さて、相談に戻ります。相談者の方は私の母と異なり、お姉さまの愚痴を真剣に受け取って悩んでいらっしゃるのですね。愚痴を言う人は話を聞いてもらいたいだけで、多分真剣に答えなど求めていないのです。ですから相談者の方も、相槌は打ちながらも話の大半は受け流し、話が終わったら全て忘れてしまうぐらいで構わないのではないでしょうか。姉妹は、死ぬまで切っても切れない縁です。なのでくっつきすぎず、心の距離をある程度保ちながら長く付き合ってゆくのが良いと思います。

回答者

柴門ふみ 漫画家。昭和32年生まれ。代表作は講談社漫画賞の「P.S.元気です、俊平」のほか、「東京ラブストーリー」「恋する母たち」(ともに小学館)など。著書に「そうだ、やっぱり愛なんだ 50歳からの幸福論」(角川文庫)など。故郷の徳島市観光大使も務める。

相談をお寄せください

 住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記のうえ、相談内容を詳しく書いて、〒100-8078 産経新聞「人生相談 あすへのヒント」係まで。

 〈メール〉life@sankei.co.jp

 〈FAX〉03・3270・2424

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