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【マッキーの動物園日記】フランス革命で特権階級から市民のものに

古い建物をリノベーションした獣舎。風情があります=パリのメナジェリー(牧慎一郎撮影)
古い建物をリノベーションした獣舎。風情があります=パリのメナジェリー(牧慎一郎撮影)

 「動物園マニア」の目線で動物園経営を進めている大阪市立天王寺動物園の牧慎一郎園長が、今回は世界の動物園の歴史についてひもときます。

 天王寺動物園の歴史は105年ですが、世界にはもっと歴史の深い動物園があります。近代的な動物園の世界最古がどこかというと、ウィーンだといわれることも、パリだといわれることもあります。

 珍しい動物を集めて飼育するということ自体は紀元前から行われており、富と権力を持った王侯貴族が動物コレクションを有していました。例えば、絶対王政下のフランスのベルサイユ宮殿には珍しい動物が集められていたそうです。

 さて、ときは18世紀末のフランス。パリはフランス革命の騒乱下にありました。革命の始まりとされている民衆によるバスチーユ牢獄の襲撃が1789年、王妃マリー・アントワネットが処刑されたのが1793年です。

 そんな1793年のこと、パリ中心部のセーヌ川の南側にあった王立植物園の地に設置されたのが国立自然史博物館です。

 翌年には博物館付属のメナジェリー(動物園)が設置されました。革命の影響で荒廃したベルサイユ宮殿に生き残っていた動物たちも新しい動物園に移され、一般公開されました。

 フランス革命が動物園に与えた影響は、ざっくり言うと、一部の特権階級のものであった動物園が一般市民のものになったということ。これがパリが近代動物園の元祖といわれる所以(ゆえん)です。

 さて、私が動物園に勤める前に就いていた仕事の出張で何度かパリに行く機会があり、パリのメナジェリーを訪問することができました。古い施設をリノベーションして活用していて、コンパクトながら美しい動物園です。このエリアは博物館だらけですし、なんだかアカデミックな雰囲気が漂っているのもすてき。動物園を通じて歴史と文化を学べる場所なので、パリに行かれた際はぜひ訪問してみてください。

 (天王寺動物園長兼改革担当部長 牧慎一郎)

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