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【一聞百見】同志社大、初の女性学長 植木朝子さん 創立150年へ邁進中

「あえて多様性をキーワードに」と話す植木朝子同志社大学長=京都市上京区(永田直也撮影)
「あえて多様性をキーワードに」と話す植木朝子同志社大学長=京都市上京区(永田直也撮影)
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 5年後に創立150周年を迎える同志社大学(京都市上京区)で今年4月、初の女性学長が誕生した。伝統校の節目を前に、かじ取りを任された植木朝子さん(53)。「ダイバーシティ(多様性)の推進」を大学運営の柱の一つに掲げ、個人を尊重し、異なる価値観や境遇を持つ他者を認め合う多様性という視点の重要性を強調する。新型コロナウイルスの影響で前途多難な船出となったが、多様性と寛容に満ちた社会の実現に貢献できる人材の育成を目指し、若き新学長が邁進(まいしん)している。

(聞き手 桑村大 京都総局記者)

■多様性を認め個人を尊重する教育を

 新島襄(じょう)が同志社大の前身である同志社英学校を明治8(1875)年に設立、その後、大正5(1916)年に原田助(たすく)が初代学長となって以来100年余り。同志社大の長い歴史の中で初めて女性で学長に就任した。これまでも「初の女性学部長」、「初の女性副学長」に就くたび注目を集めてきたが、「本来なら話題にならないのが望ましい。たまたま巡り合わせでなっているが、当たり前のように女性が広く活躍できる社会に近づく一歩になればうれしい」と述べる。

 大学運営において重要視するのが「ダイバーシティの推進」だ。「多様性は近年、繰り返し言われるたび、やや陳腐化してしまったうらみがあるが、それでもあえて多様性をキーワードに強調したい」と訴える。背景には、イノベーションや経済的利益を第一に追い求めるために、ダイバーシティを強調する社会への強い危機感がある。

 「創立者の新島襄が『諸君ヨ、人一人ハ大切ナリ』という言葉を残したように、同志社大には異なる他者との共存を受け入れる底流がある」。人種や国籍のほか、セクシュアル・マイノリティーも含めた性別、身体的・精神的ハンディキャップなど異なる価値観や境遇を持つ人々が共存する中で、その違いを新たな創造へと導き、これまで以上の社会を生み出していく。理想とする社会の実現に貢献できる人材を輩出するため、「多様性を認め合い、個々が尊重される社会がダイバーシティだということを深く理解させる教育を心がけたい」と意気込んでいる。

 今年は新型コロナウイルスの影響で就任早々、対応に追われる日々が続いた。学長デビューの晴れ舞台となるはずの入学式は中止し、キャンパス内を立ち入り禁止としたうえで授業も原則オンラインで実施。「何もかもが手探りの状態だった」と振り返る。

 一方、「コロナ禍は大学教育の在り方にも見直しを迫るもので、これまでの教育、研究を総括する時期を迎えている」とも説明。先行きが不透明な時代を迎える中、これまで培われたさまざまな気づきをうまく生かしながら教育や研究の質を深化させ、継承する大切さを説く。

 令和7年に創立150周年を迎える同志社大。その指針として掲げる「VISION2025」では、教育姿勢や産学連携、国際化など大学が進めるべき6つの展望を提示しているが、ここでも強調されるのは多様性の実現だ。

(次ページは)憧れの京都へ…

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