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案内は命がけ、ガイド歴55年「洞窟の仙人」が後継者探し

半世紀以上にわたり「竜渓洞」を案内している門脇和也さん=松江市
半世紀以上にわたり「竜渓洞」を案内している門脇和也さん=松江市
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 9歳から55年にわたって洞窟のガイドを続けてきた男性が島根県にいる。同県自然観察指導員の門脇和也さん(65)。松江市八束町の国指定天然記念物「竜渓洞(りゅうけいどう)」で、年間約2千人を一人で案内してきた。ひげをたくわえた風貌や豊富な知識から「洞窟の仙人」「洞窟の番人」と親しまれている。

父親が「代わりに行ってこい」

 「火山灰が積もった場所を見れば、火山が噴火した季節もわかる」。竜渓洞の入り口前で、門脇さんが地層を指さしながら説明してくれた。

 竜渓洞は、島根県東部の中海(なかうみ)に浮かぶ大根島(だいこんしま)のほぼ中央にある。大根島は約20万年前の火山の噴火で誕生したといわれる火山島。地下には溶岩が流れた跡の溶岩洞窟が縦横無尽につながっており、その一つが竜渓洞だ。昭和8年の道路工事で見つかり、龍神様のすみかになぞらえ、その名が付いた。

 門脇さんが竜渓洞でガイドをするようになったのは、10歳の誕生日の前日。もともと案内をしていた父親から「代わりに行ってこい」と命じられたのがきっかけだったという。

 「当時、島外から来た人を案内する場所といえば洞窟だった。小学4年生で大した知識はなかったが、地元の人間なので知っていることもあった」

 1回限りのつもりだったが、父親から「3年たてば身になる」といわれ、その後も半世紀以上、ボランティアでガイドを続けてきた。

5億6千万年前の生物

 「『何だろう』という見学者の疑問に応えることにやりがいを感じる」と話す門脇さん。これまでに案内した人は約10万人。海外からの見学も多く、フランス語やロシア語、中国語など独学で7カ国語を習得し、各言語版のパンフレットを作成した。

 「普通は山頂にある火口を、ここでは洞窟内で見ることができる」。門脇さんの案内で竜渓洞に入ると、右手に「神溜(かんだま)り」と呼ばれる火口跡が見えてくる。

 奥行き約80メートルの洞窟内には溶岩が流れた跡が随所に残り、付着した溶岩が固まった「つらら石」も見ることができる。

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