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拾った航空券が縁で芸能界へ 産経新聞でバイトの秘話も 俳優の松尾諭さんが自伝風エッセー出版    

俳優の松尾諭さん(三尾郁恵撮影)
俳優の松尾諭さん(三尾郁恵撮影)
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 映画「シン・ゴジラ」やNHK連続テレビ小説「エール」などに出演し、個性派俳優として活躍する松尾諭さんが、文春オンラインに連載してきたエッセーを一冊の本にまとめた。下積み生活や失恋話など、七転び八起きの半生を軽妙な筆致でつづった“自伝風”エッセーだ。

 「きっかけは、数年前の飲み会。編集者から『何か書いてみませんか』といわれ、僕なんかが…と思いましたが、40歳をこえて、新しいことにも挑戦してみたいと…」

 平成29年4月から今年6月まで、月1~2本のペースで、計37本配信した。巻末にはエッセーについて「史実をもとにしたフィクションです」という微妙な「おことわり」もあり、そのココロを問えば「9割事実、1割創作といったところでしょうか」とニヤリ。

 高校時代の学校行事で観賞した演劇に心を奪われ、役者を志すことになった男は、大学を中退して上京する。ある日、自動販売機の下で拾った航空券の落とし主がモデル事務所の社長だったことから、その縁で事務所に所属。しかし俳優のオーディションには落ち続け、借金はかさみ、実らぬ恋に傷心の日々…。

 そんな下積み時代も芸の肥やしとなった。

 「不幸自慢をしたいわけではなかったので、書いているときは、読者が重たい気持ちにならないように気をつけました。自虐ネタというか、笑ってくださいっていうサービス精神が根本にあって、関西の血でしょうか。失恋だって、“男の勲章”みたいなもんでしょ」

■   ■

 エッセーでは、産経新聞大阪本社でアルバイトに明け暮れた学生時代の思い出についても触れている。

 「職場ではマンガばかり読んでましたね。たばこ部屋で記者の方と話すのも楽しかった」というが、記者の助手的な業務もしっかりこなしていた。その一つが阪神大震災の復興住宅のアンケートの手伝い。

 「ポートアイランドや伊丹、尼崎市内の復興住宅を一軒一軒訪ねて、被災者の方の話を聞きました。社会部の記者さんに『うちで働いたら』って誘われたけど、僕は記者然としてないから(笑)」

 ただ、このアルバイトの同僚だった男性との出会いが、役者を志す松尾さんにとって、かけがえのないものになったという。

 ほかにも、下積み時代に目をかけてくれたバイト先のタイル屋の親方や、海外ロケで知り合った外国人など、エッセーでは人との縁を描いた逸話が多い。

 「出会ってきた人のおかげで今の自分があると思うんです。僕にとって、人と関わることはとても大切なこと。関係性があれば、人の懐に入っていけます。『人の心に土足で上がっていく人間』なんていう人もいますけど…」

■   ■

 運命の女性とのなれそめや結婚にいたる経緯も本書の読みどころだ。

 「妻は執筆中から相談にのってくれました。書籍になる前の原稿を見せたら、ゲラゲラ笑ったり、号泣したり。こんなに喜んでくれたら、もう売れんでええわ!って思いそうになるくらい、最高の読者でした」

 連載中から反響は大きく、テレビ局関係者から「ドラマにしてもおもしろそう」といわれた。

 今後も文筆業を続ける予定は?

 「『また書いたらいいじゃないですか』といわれて、まんざらでもないところもあるんですけど…。次は小説? いやいやいや~(苦笑)」

 出会いの神様に「拾われた男」。本書のタイトルはまんざら嘘ではない。

3つのQ

Q今後やってみたい役は?

「男はつらいよ」の寅さん。寅さんファンとしては渥美清さん以外で見たくないけど、やってみたい

Q表現を磨くためにしていることは?

表現を磨いているという意識はないが、外に出て人と会い、話すことで何かしら得ている。一歩踏み出せば、すべてインプット

Q一番リラックスできる時間は?

自然と触れ合う時間。渓流釣りが好きで、緑の中にいるとリフレッシュできます

(文化部 篠原那美)

     

まつお・さとる 昭和50年、兵庫県尼崎市生まれ。役者を目指して上京し、平成12年、映画「忘れられぬ人々」で俳優デビュー。オーディションでフジテレビ系ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」のメインキャストに抜(ばっ)擢(てき)される。出演作品に映画「テルマエ・ロマエ」「進撃の巨人」、ドラマ「ひよっこ」「わろてんか」「ノーサイド・ゲーム」など多数。

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