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【近ごろ都に流行るもの】「家族のための成人式」 水入らずで伝える“ハタチの感謝”

二十歳の節目に家族3人の記念リングを作った日高海琴さん。父の達也さんは、娘の成長と亡き妻への感謝で感無量だ=東京都港区の八芳園(重松明子撮影)
二十歳の節目に家族3人の記念リングを作った日高海琴さん。父の達也さんは、娘の成長と亡き妻への感謝で感無量だ=東京都港区の八芳園(重松明子撮影)
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 毎年のように騒動と蛮行が発生している自治体主催の成人式。だが、今年度(来年1月)はコロナ禍で開催も不透明だ。そんななか、身内のみで行う「家族のための成人式」に注目したい。「前撮り」と呼ばれる撮影会とセットで行われ、年々参加者を増やしている。梅雨の晴れ間の日曜日、親子水入らずの成人式に密着すると、普段は照れくさくて伝えられない感謝を言葉にする新成人。成長した姿に目を細める親…。取材中、もらい泣きしそうなシーンもあった。(重松明子)

 「お父さん、お母さんへ。これからも…、見守ってください」。振り袖姿の大学2年、日高海琴(みこと)さん(20)のほほに涙が伝っていた。

 東京都港区白金台の老舗結婚式場「八芳園」。7月18、19日、全国で着物店などを展開する「いつ和」(本社・新潟県十日町市)が開いた「家族のための成人式」での1コマだ。

 同社で晴れ着を購入・レンタルした顧客を対象に、式費用は撮影+セレモニーで3万8500円。飲食はなく、親が子育ての思い出と励ましをつづった「巣立ち証書」を、子が親への「感謝状」を朗読して交換する。当初は1日のみの開催予定だったが応募が殺到し、2日間で19組の家族が成人式を行った。

 セレモニーの間、涙が止まらない冒頭の海琴さん。「親子3人で遊びに行ったこと。高校受験のときにスポーツ推薦での進学を反対しながら、最後は私の意思を尊重してくれた母への感謝。両親とのいろいろな光景が頭に浮かんでいました」

 「立派に育ってくれたのは、カミさんのおかげです」と父の会社員、達也さん(51)。ちょうど翌日が妻・智美さん(享年49)の三回忌という。高校時代に母をがんで亡くした海琴さんは、この日のためにコンビニや体育指導のアルバイトを頑張り、約10万円する親子3人の「ハタチリング」をひそかに買った。父の結婚指輪をこっそりはめてサイズも確認。母に「育ててくれてありがとう」、父には「いつまでも元気でね」と輪の内側に刻み、式中にサプライズで渡した。

 「マジか」。小さく叫び目を丸くする達也さん。「精神的にもこんなに成長していたのか」。万感の思いで、娘の頭に手を置くしぐさが優しい。母の指輪は、晴れ姿の写真とともに霊前にささげる。

 両親と祖母やおばに見守られて式に臨んだ大学2年、浅野亜由美さん(19)は、「感謝と大人の自覚が芽生えた気がします。私たちの代は、コロナの影響で市の成人式が実施されるかどうかもわからないので、親族で式ができてよかった。この後、お庭で写真を撮ったり食事をするのが楽しみ」とほほえんだ。

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