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【深層リポート】ウィズコロナ時代の新教育像 脚光「完全オンライン授業」

「みんな、ホームルーム始めまーす」。ひと気のない職員室で、画面の向こうの生徒たちへ呼びかける佐野和之教諭=東京都江東区のかえつ有明中・高校(徳光一輝撮影)
「みんな、ホームルーム始めまーす」。ひと気のない職員室で、画面の向こうの生徒たちへ呼びかける佐野和之教諭=東京都江東区のかえつ有明中・高校(徳光一輝撮影)

 新型コロナウイルス感染症対策として、教育現場でオンライン学習が関心を集める中、毎日6時間の授業を全てオンラインで行い、31日に1学期の終業式を迎える学校がある。私立中高一貫校のかえつ有明中・高校(東京都江東区)。完全オンライン授業は、私立中高一貫校でも都内で数校程度といわれ、コロナとともに暮らす「ウィズコロナ」時代の新しい教育像として、動向が注目される。

生徒が変わった

 「OK、ベリーグッド」

 東京・臨海副都心にある同校。がらんとした職員室で、英語科の小板橋弘治教諭(60)がパソコン画面に向かい、高校2年の「英語表現I」の授業を続けていた。「教師生活37年、初めての体験です」。ほかの教諭はそれぞれ、自宅で授業中という。

 中1から高3までの生徒約1100人が5月から、平日6時間の授業を全てオンラインで受講。都内の私立中高一貫校でも広尾学園(港区)など数校ほどといわれる。

 生徒の反応は-。高1の女子は「今までパソコンに触れる機会があまりなかったが、タイピングも上達した。先生や友達とつながることができて、うれしい」。高2の女子は「オンラインではできないことはもちろんあるが、オンラインだからこそできることも多いと実感した」という。

 小板橋教諭は「以前は授業にあまり積極的でなかった生徒が、オンライン授業のあと『質問があります』とテレビ会議の画面に残るようになった。周りの目がない分、参加しやすい側面もあるのかもしれない」と話す。

10日でIT化

 同校も昨年度までは通常の対面授業だった。国の緊急事態宣言で休校継続を余儀なくされ、オンライン授業に取り組んだという。

 米グーグルのメールアドレスを生徒全員分取得し、夜なべ作業でパスワードの書類をゆうパックに詰め全家庭へ送った。テレビ会議システム「ズーム」を使って、まずは学活やホームルーム、面談から始めた。5月の連休明けからは、完全オンラインで授業を開講。課題の配信・回収もグーグルの「クラスルーム」という教育機関向け無料サービスを活用した。

 副教頭の佐野和之教諭(49)は「実は今年度、1年かけて全生徒にパソコンを所持してもらう計画だったが、コロナのために10日間で進んだ」と振り返る。

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