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病を退散させる妖怪は「アマビエ」だけじゃない 奇怪にして面妖な姿態 長野・真田宝物館

真田宝物館が所蔵する怪魚の妖怪。目にすれば難病を免れると言い伝わる(松本浩史撮影)
真田宝物館が所蔵する怪魚の妖怪。目にすれば難病を免れると言い伝わる(松本浩史撮影)
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 妖怪は、現世で生きる人間の理解なり思考なりを超越した現象を引き起こすとされる。新型コロナウイルス禍では、疫病を退散させる力を秘めているという「アマビエ」に注目が集まった。だが、難病から救ってくれる妖怪はほかにも存在している。真田宝物館(長野市)で開催中の特集展「妖怪大集合 わざわい?こわい?見たい!」に出向き、風体を拝ませてもらった。(松本浩史)

見た人は難病免れる

 「怪魚の図」とのタイトルがつけられた展示ケースを見ると、奇怪にして面妖な生き物が和紙に描かれていた。顔は馬のようで、おなかは金色に光り、左右のヒレは手足のようだと、説明文には記されている。

 なるほど顔は馬に似ている。でもなぜ牙があるのだろう。目がつり上がっているから、形相はたいそういかつい。髪を振り乱してもいる。おなかが金色ならば、ヒレや顔などはどんな色合いなのだろう…。

 現在の神奈川県の浦賀の海浜で生け捕られた怪魚だそうで、目にした人は難病を免れると言い伝わる。夜になると陸に上がってきて、昼には海中に潜んでいる。ただ、もしも夜中に出くわしたら怖くて逃げてしまうこと請け合いである。

 江戸時代のもので、怪魚の絵と説明文が一緒に保管されていたという。学芸員の米沢愛(めぐみ)さんの話だと、この時代には天然痘や麻疹などの病がはやり、これらを退けられる妖怪だったとのこと。和紙には「ほうそうきょ」の文字も確認できる。天然痘の別称は「疱瘡(ほうそう)」なので、この病を指しているのかもしれない。

真田宝物館が所蔵するフクロウのような風体をした霊鳥の妖怪。疫病から逃れるため自分の姿を描けと諭した(松本浩史撮影)
真田宝物館が所蔵するフクロウのような風体をした霊鳥の妖怪。疫病から逃れるため自分の姿を描けと諭した(松本浩史撮影)
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私の姿を描きなさい

 まつ毛がいやに長く、体は丸っぽくてそれほど大きくないのに、足がやたら長くて太い。爪も大きい。これでもかと羽を広げて、威嚇しているかのようだ。来館者の多くはきっと、フクロウを思い浮かべるに違いない。

 いびつな姿態ながら、説明書きには「霊鳥」とある。これから先、疫病が広がると予言し、自分の姿を描けば逃れられる、と説くのだそうだ。松代藩士の鎌原桐山(かんばらとうざん)が江戸時代の後期に著した「朝陽館漫筆」で紹介されており、どこかの異国から長崎県の平戸に舞い降り、「神の使い」だと自ら名乗ったという。

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