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【アメリカを読む】米IT大手、香港撤退シナリオ 「国安法」が駆逐圧力に

7月3日、香港で白紙のプラカードを掲げて抗議するデモ参加者。ネット上でも中国本土並みの監視体制が敷かれる恐れが指摘されている(ロイター)
7月3日、香港で白紙のプラカードを掲げて抗議するデモ参加者。ネット上でも中国本土並みの監視体制が敷かれる恐れが指摘されている(ロイター)

 検索大手グーグルや交流サイト(SNS)大手フェイスブックなどの米IT大手が、香港で施行された国家安全維持法(国安法)への対応に苦慮している。中国本土に敷かれたネット検閲・監視体制が、香港にも広げられる懸念があるためだ。各社は香港当局の出方を見極める構えだが、当局への協力要請を拒めば現地社員が拘束される恐れもあり、撤退も視野に入れた事業リスクの検討を迫られる可能性がある。(ワシントン 塩原永久)

 国安法施行後の6日、グーグルとフェイスブック、短文投稿サイトのツイッターが、香港当局への利用者データの提供を一時停止したことが判明した。

 IT大手は、サービスを展開する国や地域の法制度に従い、現地の捜査機関や裁判所の要求に対して利用者データの開示に部分的に応じてきた。各社は国安法施行後、この開示プロセスを見合わせ、新法が「言論の自由」を前提とする事業運営にどう影響するか「詳細な確認を続けている」(グーグル)という。

 サイト運営企業にとって国安法が問題なのは、当局が「国家の安全を脅かす恐れがある」とみなす投稿について、企業に削除やアクセス制限を命令できると規定されているためだと、専門家は指摘する。

 サイト運営者が命令に従わない場合には、当局が令状をとり通信機器を差し押さえたり、場合によっては最大10万香港ドル(約140万円)の罰金を科したりすることができる。さらにサイト運営企業の従業員を6カ月以下の禁錮刑に処する可能性もあるという。

 中国本土では、大規模なネット検閲・監視システム「グレート・ファイアウォール」が全国民の投稿に目を光らせている。米IT大手が検閲への協力姿勢を示せば、表現の自由を重んじる本国で批判にさらされることもあり、グーグルやフェイスブックなどは現在、中国本土でサービスを展開していない。

 一方、「一国二制度」のもとで表現の自由が担保されていた香港では事業を継続してきたが、国安法の施行が転換点になるとの見方が強まっている。

 デジタルサービス利用者の権利擁護団体「アクセスナウ」は7月6日、国安法が「オンライン上の人権を脅かす」とする声明を出した。当局がネット上の言論活動を犯罪として禁じ、通信機器の差し押さえや、通信の傍受も可能になる「広範な権限」を握ることになると強い懸念を示した。

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