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不確実な世界を生き抜く力を子供に 「本の森」が果たす役割 建築家・安藤忠雄

7月5日に開館した「子ども本の森 中之島」。訪れた子供たちは1万8千冊の本に歓喜の声をあげていた=大阪市北区
7月5日に開館した「子ども本の森 中之島」。訪れた子供たちは1万8千冊の本に歓喜の声をあげていた=大阪市北区
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 新型コロナウイルス、パンデミック発生から半年を経た。ウイルスの猛威は先進国から途上国へ、世界に目を向ければいまだ収束には程遠い状況だが、ともあれ第一波をしのいだ国々とともに日本も、恐る恐る日常を取り戻しつつある。

 人命にかかわるウイルスという直接的な恐怖だけではない、感染拡大を防ぐための人とモノの移動の制限、それによる経済活動の中断など二次、三次的な影響の連鎖がかくも凄(すさ)まじいコロナ禍を引き起こした。世界をつなぐことで現代世界を牽引(けんいん)してきたグローバリズムが、感染拡大の起爆剤となり、結果的に世界のつながりが断たれるとは何とも皮肉な話だ。

 日本国内に目を向ければ、インバウンドの急激な減少で観光産業は壊滅的打撃を受け、サプライチェーンを断ち切られた製造業は身動きもできない。景気後退は決定的、雇用情勢も最悪の状況だ。生き残りにかける日本企業は、感染症対策の必要から競うようにテレワークを始め、「これを機に」と世界に後れをとっていた業務のデジタル化推進に注力している。

 比較的アナログな建築設計を仕事とする私の事務所でも、今は国内外に関わらず、打ち合わせはオンラインのテレビ会議。だが、物理的にも心理的にも距離がある分、臨場感にはかけるし、相手の反応を見ながら駆け引き交渉するべき重要な局面では使えない。

 万能とは思わないが、価値観・方向性を共有できているチームのやりとりには効率的だ。新しい働き方が人々の意識を変え、遅々として進まなかった東京一極集中を是正、それが地方振興の第一歩につながるとの期待もある。「コロナ後」の企業の成長戦略としては理に適(かな)っているといえるだろう。だが、その「成長」は、どこに向かう成長なのか。そうしてV字回復を目指して進んでいった先に、本当に確かな未来があるのだろうか。

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