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はんこ生産県の山梨 「押印デバイス」開発へ 知事、不要論に対抗

山梨県市川三郷町の旧六郷町地区にある「ハンコの里」のモニュメント。山梨県は全国有数のはんこ生産地だ(渡辺浩撮影)
山梨県市川三郷町の旧六郷町地区にある「ハンコの里」のモニュメント。山梨県は全国有数のはんこ生産地だ(渡辺浩撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大で「はんこ離れ」が進むことが予想されるため、全国有数のはんこ生産地の山梨県が、電子印鑑ではなく実物のはんこの押印情報を電子文書に取り込むデバイスの開発に着手することが分かった。長崎幸太郎知事が産経新聞の取材に文書で明らかにした。知事はまた、テレワークに押印は必要ないとし、新型コロナを理由にはんこ文化を否定する風潮を強く批判した。(渡辺浩)

経済界に反論

 山梨県は水晶の産地だったため江戸時代に水晶印の生産が始まり、ツゲや水牛のはんこも作られてきた。業界関係者によると、市川三郷町の旧六郷町地区を中心に手彫りのはんこの製造は全国の約6割を占めるという。

 はんこをめぐって、経団連の中西宏明会長は4月27日の記者会見で、テレワークを促進しても押印のために出社しなければならない例があるとして「はんこはナンセンス」「美術品として残せばいい」と発言。

 長崎知事は6月26日の県議会で「押印にかかわるビジネス慣行は(経済界)自らが変えられる」「不見識」と強く反論し、押印の必要性の有無とはんこの存在自体を混同した議論を危惧していた。

 内閣府と法務省、経済産業省は6月19日、「テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人による押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略することが有意義」との見解を公表している。

 知事は取材に対し「テレワークのように対面を必要とせず、簡易、迅速さを当事者が求める場合は押印を不要とすればいいし、厳格に本人意思の確認を行うのが望ましいと当事者が判断すれば押印を行えばいい」と線引きを示した。

はんこの実物残す

 しかし、押印の省略が進めばはんこの売り上げが減るというジレンマがある。知事は「パソコンがどんなに普及しても鉛筆やボールペンが消滅しないのと同じ」と、はんこの存続を強調した。

 「押印デバイス」は、重要な契約だが対面で行えない場合を想定。電子的な印影ではなく、あくまで実物のはんこを使うのが、生産県としての意地だ。

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