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「絆」強調の平成、「ひとり」見直されたコロナ禍 山折哲雄さん新刊「米寿を過ぎて長い旅」

 「樹木葬や散骨なども増え、日本人の死生観が変化しつつある。今後どの程度広がるか、注目すべきテーマのひとつ」と語る。

 そんな山折さんは80歳を超えた頃から、認知症の問題が現実のものとして迫ってくるようになった。「いつ自分や家内が、そうなるかもしれない」と。

 そんなとき、親鸞の「自然法爾(じねんほうに)」の言葉に、ひらめくものがあった。「ありのまま」だ。

 《そのまま ありのまま 念仏だけで ホトケさま》

 時間軸と空間軸が失われるという認知症。「みな体験者は苦しんでおられる。この苦しみをくぐり抜けるのに、自然法爾の考え方が、もしかするとひとつの支えになるかもしれない。現在も、依然として親鸞の存在は大きいと、思い知らされた」と語る。

 来年、90歳を迎える。

 「毎日を大事にして、一日一日を精いっぱい生き、枯れ木のようにこの世を去っていきたい、というのが理想ですね」

 やまおり・てつお 昭和6年、米国サンフランシスコ生まれ。東北大学文学部卒、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。同大助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター所長などを歴任。「愛欲の精神史」で和辻哲郎文化賞。著書に「『教行信証』を読む」「法然と親鸞」など多数。

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