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【深層リポート】千年に1度の好機 コロナ禍で揺らぐ 福島へ届くか 朝ドラの“エール”

古関裕而氏ゆかりの資料が展示されている朝ドラ「エール」の関連イベント。ドラマの初期は福島県が舞台で、関係者は盛り上がりを期待している=福島市(芹沢伸生撮影)
古関裕而氏ゆかりの資料が展示されている朝ドラ「エール」の関連イベント。ドラマの初期は福島県が舞台で、関係者は盛り上がりを期待している=福島市(芹沢伸生撮影)
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 新型コロナウイルスの感染拡大で撮影が2カ月半中断し、6月29日から本放送を休止し第1回から再放送を行うなど、不測の事態が続くNHK連続テレビ小説「エール」。福島市出身の作曲家がモデルの朝ドラは、5年越しの地元の誘致活動で実現したものだ。本放送の再開は未定だが、収録はすでに再開。出遅れを取り戻しコロナ禍で落ち込んだ福島に、経済回復の“エール”は届くのか-。

五輪年限定の誘致

 エールが描くのは古関裕而(こせき・ゆうじ)・金子(きんこ)夫妻の生涯。古関氏は昭和39年東京五輪の行進曲「オリンピック・マーチ」や、高校野球の「栄冠は君に輝く」の作曲などで知られる。

 朝ドラ誘致活動は、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で疲弊した福島に、誇りと一体感を取り戻そうと、福島商工会議所青年部が中心になり福島市などと協力して展開した。金子氏の出身地・愛知県豊橋市とも連携し15万人以上の署名を集め、東京五輪に合わせ放送時期も限定した、異例の誘致活動だった。

 放送開始は3月30日。コロナ禍がなければ、3月26日に聖火リレーが福島からスタートし、7月には福島市で野球やソフトボールの五輪競技が開催、エール関連イベントも福島市などで次々開かれ、日本中から観光客が訪れるはずだった。日銀福島支店は、エールが福島県にもたらす経済波及効果を約48億円と試算していた。

 しかし、感染拡大が深刻化した3月、聖火リレーと東京五輪の延期が決定。エールプロジェクトと銘打つ数々のイベントも見送りになった。さらには移動自粛と緊急事態宣言。朝ドラがいくら話題を集めても、福島に観光客は来なかった。

 5月下旬、木幡浩福島市長は「五輪開催にエールの放送という、千年に1度もない出来事に期待し準備を進めたが…、人が来ない」と嘆いた。福島商工会議所の渡辺博美会頭も「北海道が舞台の朝ドラ『なつぞら』は経済効果が100億円と聞いた。(対してエールの経済効果は)残念ながらカウントもできない」と肩を落とした。

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