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【日本語メモ】「雨模様」は降っているのか、曇っているのか

 6月もあと数日。梅雨独特のうっとうしい気候が続いています。さて「雨模様」と聞いて皆さんが思い浮かべる情景はどのようなものでしょうか。雨が降っている様子でしょうか。それともどんよりとした曇り空でしょうか。

 誤って用いられることも多い言葉ですが、「雨模様」は雨の降っている様子を指す言葉ではありません。

 弊社の用字用語集「産経ハンドブック」では「本来は雨が降りそうな空の状態のこと。最近では『降ったりやんだり』の意味で使うことも多い。両様に解釈できる表現は使わず具体的に書く」と規定されています。他にも「雨模様」を辞書で調べてみると「雨の降りそうな空の様子」(広辞苑)、「どんよりと曇って、雨の降りだしそうな空のようす」(大辞林)と記載されています。

 「模様」は「ありさま。様子」(広辞苑)を指す言葉ですから、「雨」に「模様」が付けば「雨が降っている様子」を連想しそうなものですが、なぜ本来の意味はそうではないのでしょうか。

 実はこの「雨模様」という言葉、「雨催い」が転じたものであるとされています。「雨催い」は「あまもやい」もしくは「あまもよい」と読みます。「催い」は「物事のきざしの見えること」(広辞苑)を意味し、その語に「雨」が付き「雨催い」となることで「今にも雨の降りだしそうな空のけしき」(広辞苑)を指す言葉となるわけです。

 しかし、上述にもあるように最近では「雨模様」が誤って用いられることも多くなっています。気象庁では誤解を避けるために「『~もようの天気』などは意味がいろいろにとれるため用いない」としています。

弊紙では雨が降っている場合やどちらともいえない場合は、「悪天候」や「荒れ模様」などに言い換えるようにしています。

 ただ、文化庁が平成23年2月に調査を行った「平成22年度 国語に関する世論調査」では「『雨模様』をどの意味で使っているか」の質問に対して、本来の意味である「雨が降りそうな様子」よりも「小雨が降ったりやんだりしている様子」が多く回答されています。言葉は時代によって意味を変えていくものですから、弊紙でも「小雨が降ったりやんだりしている様子」として用いるようになることもあるかもしれませんね。

(か)

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