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【エンタメよもやま話】米の人種差別の根源暴く映画「ルース・エドガー」で学ぶ

米の人種差別を従来とは異なるアプローチで描く米映画「ルース・エドガー」。全国公開中(c) 2018 DFG PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
米の人種差別を従来とは異なるアプローチで描く米映画「ルース・エドガー」。全国公開中(c) 2018 DFG PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 さて、今週ご紹介するのは、エンタメの王道、映画のお話です。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う休業要請と外出自粛が大幅に緩和され、映画館の営業再開が本格化しました。密にならないよう、座席の間隔を空けるといった措置はあるものの、数カ月ぶりの映画館。何を見ようかとウキウキしている映画ファンは少なくないと思います。そんな皆さんに、見ていただきたい作品があるのです。6月5日から公開中の米映画「ルース・エドガー」(監督・製作・共同脚本=ジュリアス・オナー)です。

 ご存じのように、いま米国では、白人警官による黒人男性暴行死事件を機に、全米規模で人種差別への抗議デモが拡大しています。米動画ストリーミングサービス「HBO マックス」が6月9日、南北戦争が舞台の米ハリウッド映画の古典「風と共に去りぬ」(1939年)の配信を一時停止(6月9日付米CNNニュース電子版など)。また、米ユニバーサル・ミュージック・グループ傘下のレコード会社で、米人気女性歌手のテイラー・スウィフトやアリアナ・グランデらが所属するリパブリック・レコーズが、黒人音楽を軽視しているとの批判があった「アーバン」というジャンル名の使用を禁止すると発表しました(6月8日付英BBCニュース電子版など)。

 とはいえ、多くの日本人にとって、人種差別は許されないことであると分かってはいるものの、米国でなぜ国を揺るがす事態になるのか正直、良く分からないという人が多いのではないでしょうか。この作品は、米国の人種差別の想像以上の複雑さや根深さを理解する大きな助けになるのです。今回の本コラムでは、この作品についてご説明いたします。以下、ネタバレが多数含まれているので、何も知りたくないという方は最後のページまで飛ばしていただければと思います。

    ◇   ◇

 まず、あらすじを簡単に。作品名にもなっている主人公のルース・エドガー(ケルビン・ハリソン・Jr)は17歳の黒人の高校生です。米南東部バージニア州のアーリントンの高校に通う彼は、文武両道、品行方正、誰もが認める非の打ち所がない優等生で、卒業式では総代間違いなしと噂されています。

 しかし、生い立ちは少々、複雑です。実は彼は、戦時下のエリトリア(東アフリカ)に生まれ、幼少期に兵士として戦場に駆り出された経験があるのです。しかし7歳の時、女医エイミー(ナオミ・ワッツ)とピーター(ティム・ロス)のエドガー夫妻の養子に。そして、この裕福なアッパー層の白人夫婦の献身的な努力によって戦場でのトラウマを克服。彼らの期待に応える超優等生に成長したのです。

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