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リニア中央新幹線 令和9年の開業へ正念場 未着工静岡工区への相次ぐキーマン視察

林道の改修状況の説明を受ける川勝平太知事(右)=11日、静岡市葵区の南アルプス山中(田中万紀撮影)
林道の改修状況の説明を受ける川勝平太知事(右)=11日、静岡市葵区の南アルプス山中(田中万紀撮影)
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 令和9年の東京・品川-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線が、予定通りの開業に向けた正念場を迎えている。南アルプスを貫通するトンネル工事によって大井川の水量が減ると懸念する静岡県の同意が得られず、延長約9キロの静岡工区で着工できない状況が続いているためだ。「今月中にヤード整備などの準備工事を始めなければ、予定通りの開業は難しい」とするJR東海に対し、静岡県の川勝平太知事は「ヤード整備は本体工事の一環だ」として工事再開を認めていない。事態打開に向けて同社の金子慎社長は川勝知事にトップ会談を申し入れたものの、相互不信がよどみ、解決の糸口は見つかっていない。(田中万紀)

 静岡県北部の山間地にあるリニア静岡工区(静岡市葵区)の建設予定地にたどり着く唯一の林道は、狭いうえに大半が未舗装で、一部が昨秋の台風で崩落した道なき道だ。そこを5月末から6月上旬までのわずか半月の間に、金子社長、川勝知事、国土交通省鉄道局の水嶋智局長が次々と往来した。いずれも静岡工区着工のキーマンたちだ。

 「リニアの早期実現と環境負荷の軽減という大きな2つの課題を両立させるため、建設的に考えてほしい。対立構造と考えていては何ら前向きなことは出てこない」。水嶋局長は6月13日の現場視察直後の記者会見で、静岡県とJR東海の双方に諭すように語った。「互いに信頼がなければならない」とも述べており、相互不信を払拭して理解を促進するために腹を割った“大人の対応”を求めるニュアンスがにじむ。

 水嶋局長はJR東海に対し「現場でさまざまな取り組みを行っているが、それらが地域の皆さんに必ずしもきちんと情報発信されていない」と、これまで以上にリニア事業への理解を求める努力が必要だと強調した。

 かたや川勝知事に対しても「県が判断する際に、どのような制度や法的根拠に基づくのか理由を明確にしてほしい」と具体的提示を要望した。そのうえで川勝知事が準備工事再開の条件だとする林道整備や作業員の安全確保は「県に権限がないのであれば一般的な要請にとどまるかもしれない」と、越権行為である可能性をやんわりと指摘した。

 大井川水系は慢性的な水不足で、生活用水をはじめ農業、工業とあらゆる分野で大井川の水を利用する流域10市町の約60万人は、毎年のように渇水に悩まされている。流域自治体は、リニア工事でさらに水量が減る不安を看過できないと訴え、川勝知事と共同歩調を取る。

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