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ヒューリック杯棋聖戦 初戦白星の藤井七段、第2局以降注目される渡辺棋聖の“勝負勘”

第91期ヒューリック杯棋聖戦第1局は熱戦の末、藤井聡太七段(右)が渡辺明棋聖に勝ち、初戦を白星で飾った=8日、東京・千駄ケ谷の将棋会館(桐山弘太撮影)
第91期ヒューリック杯棋聖戦第1局は熱戦の末、藤井聡太七段(右)が渡辺明棋聖に勝ち、初戦を白星で飾った=8日、東京・千駄ケ谷の将棋会館(桐山弘太撮影)

 将棋の高校生棋士、藤井聡太七段(17)が、“現役最強”といわれる渡辺明棋聖(36)=棋王・王将=に挑戦するタイトル戦「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)が開幕した。第1局は8日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で行われ、藤井七段が見事に初陣を飾った。藤井七段はこのまま勢いに乗り、初タイトルを獲得できるのか。

 新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言が解除され、将棋界も6月から本格的に対局を再開。8日開幕の棋聖戦五番勝負を控え、2日に準決勝、4日に挑戦者決定戦というハードな対局日程が組まれた。

 注目の藤井七段は準決勝で名人3期の実力を持つ前名人の佐藤天彦(あまひこ)九段(32)を撃破。挑戦者決定戦では、“負けない将棋”が代名詞の強敵、永瀬拓矢二冠(27)=叡王(えいおう)・王座=に一時は攻め込まれながらも最後は勝ち切った。終局後、永瀬二冠は「読んでいない手を指され、対応できなかった」と脱帽した。

 難しいとされたタイトル挑戦の最年少記録を17歳10カ月と20日で更新した藤井七段は4日後、タイトル戦の大一番に臨んだ。

 藤井七段は「勝手が分からなくて」と、タイトル戦慣例の和服ではなく、いつものスーツ姿で登場。振り駒で先手を引くと、得意な「角換わり」ではなく、むしろ渡辺棋聖の方が経験豊富な「矢倉」を選択した。「角換わりか矢倉か、どちらにしようかと思ったが、今日は矢倉で」。第1局の立会人を務めた深浦康市九段(48)が「棋士によっては相手の得意戦法をぶつけてくる棋士もいる」と指摘するように、藤井七段は大一番で図太(ずぶと)さを見せた。

 藤井一段は「タイトル戦初挑戦とは思えない」(深浦九段)指し回しを見せる。終盤、渡辺棋聖が怒涛(どとう)の16連続王手で迫るが、読み切っており、先勝した。百戦錬磨の渡辺棋聖に「(矢倉の戦型に)意表を突かれた」と言わしめた藤井七段。このままタイトル奪取となるのか。

 タイトル戦は先手、後手で交互に指される。一般的に先手番が有利とされ、第1局を藤井七段が勝利したのは当然ともいえる。第1局を終え、現在最多の3冠を保持する渡辺棋聖との五番勝負の行方は五分五分との見方が多い。

 しかし、自分が先手番のときは必ず勝ち、後手番のときに1勝でも挙げれば勝ち越せるのがタイトル戦。そのため、渡辺棋聖が先手番の第2局で藤井七段が勝利すると、渡辺棋聖はカド番に追い込まれ、1敗もできない状況となる。藤井七段は残りの3局で1勝すればタイトル奪取となる。

 とはいえ、藤井七段と同じ中学生棋士で、竜王・棋王の永世称号を持ち、歴代5位となる獲得タイトル通算25期の渡辺棋聖からタイトルを奪取するのはそう簡単ではない。

 日本将棋連盟会長で永世棋聖の資格を持つ佐藤康光九段(50)は「渡辺さんは事前の作戦、研究量が多い。勝負どころの感覚の良さ、勝負勘は非常にたけています」と話す。一方で、「相手が藤井さんなので、意識している部分もあると思います」とも。

 藤井七段は今まで通りに自分の力でぶつかっていくだけ。五番勝負の中で藤井七段が進化を見せれば、屋敷伸之九段(48)が持つ18歳6カ月の最年少タイトル獲得記録を更新するのも夢ではない。

 注目の第2局は28日午前9時から東京・千駄ケ谷の将棋会館で指される。

(文化部 田中夕介)

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