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アルコール消毒液の代替で注目も効果は? 「次亜塩素酸水」めぐる混乱

居酒屋が設置した次亜塩素酸水をペットボトルに入れる女性=5月3日、鹿児島県奄美市
居酒屋が設置した次亜塩素酸水をペットボトルに入れる女性=5月3日、鹿児島県奄美市

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い需要が逼迫(ひっぱく)したアルコール消毒液の代替品として一躍注目を集めた「次亜塩素酸水」。飲食店や自治体で急速に利用が広まったが、経済産業省や文部科学省が「有効性や安全性が確認されていない」と相次いで表明、急遽(きゅうきょ)使用をとり止める動きも出た。今後の検証で有効だと確認される可能性はあるが、専門家からは「すでにある別の薬剤を優先して使うのが無難」との声も上がる。(荒船清太)

経産省の見解

 次亜塩素酸水は、塩酸や食塩水を電解することで得られる次亜塩素酸が主成分の水溶液だ。元々は食品工場でノロウイルスなどを除去する際に使われてきたが、新型コロナの感染者拡大でアルコール消毒液が品薄となったため、飲食店で手指消毒の代替品として導入されたり自治体が公共施設に噴霧設置を設置するなどの動きが相次いでいた。

 これに「待った」をかける形となったのが、5月29日に経済産業省が公表した、次亜塩素酸水の販売実態や空間噴霧の効果についてまとめた文書だった。

 文書では、既存の文献を引用する形で、次亜塩素酸水の新型コロナウイルスへの有効性が確認されていないこと、消毒液を空間噴霧する際の安全性についての評価方法が確立されていないなどを指摘。市販品の中には、濃度や製造方法といった必要な表示がない商品もあることも明かした。

 経産省と独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、アルコール以外の物質による新型コロナウイルスの消毒方法を調べる検証作業の結果も公表。次亜塩素酸水の有効性については結論が出なかったとし、「継続した検証が必要になった」とした。

 文部科学省も「有効性、安全性が明確になっているとはいえない」として、児童生徒の前で次亜塩素酸水を噴霧しないよう求める通知を全国の教育委員会などに出した。

分かれる現場の反応

 こうした動きを受けて、自治体では次亜塩素酸水の使用をとり止める動きが相次いだ。

 栃木県大田原市は6月1日、4月下旬に企業から寄贈を受けて市役所内の複数カ所に設置していた次亜塩素酸水を空間噴霧する加湿器を撤去。市の担当者は「企業側から有効だと説明を受けていたが、有効性や安全性がまだ確認されていないという報道もあったので」と当惑気味に話した。

 埼玉県入間市でも、手指や物品の消毒用に市民が持参した容器に無料で詰めていた次亜塩素酸水の提供を6月に入って中止した。

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