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【深層リポート】長野発 「湯の丸から日の丸」 国内初の高地トレーニングプール 元スイマーら五輪で地方創生

国内初の高地トレーニング用プールと水間源さん。水深2メートル、50メートル長水路が8レーンある=長野県東御市(徳光一輝撮影)
国内初の高地トレーニング用プールと水間源さん。水深2メートル、50メートル長水路が8レーンある=長野県東御市(徳光一輝撮影)
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 東京五輪でメダル量産を目指す日本競泳陣の新たな強化拠点として、長野県に昨年できた国内初の高地トレーニング用プールが注目を集めている。舞台は、インターネット調査で「全国難読市」の1位になったこともある東御(とうみ)市。新型コロナウイルス対策で約2カ月間の休館を余儀なくされたが、1日に再開。五輪をステップにした地方創生の取り組みが再スタートした。

瀬戸選手ら続々

 標高1750メートルの高原へ、市特産のクルミの樹園が並ぶ「くるみ街道」をぐんぐん登ると、耳がつんとしてきた。

 「まだ標高600メートルですよ」。ハンドルを握る市文化・スポーツ振興課の水間源(みずま・はじめ)さん(41)が笑った。農村に人材を送る総務省の地域おこし協力隊の隊員として、昨年2月に東京から赴任した。

 冬場はスキー場になる湯の丸高原。昨年10月、国内で初めての高地練習用プールができると、東京五輪代表に内定している男子のエース瀬戸大也(だいや)選手(26)らがさっそく合宿して話題を呼んだ。

 「一時は日本記録保持者が7人合宿した。日本水泳界が30年待った施設ですから」

 万感の思いを込めて語る水間さん自身、かつては五輪を目指したスイマーだった。

高地プールの仕掛け人、中村昌彦さん。地元の小中学校、上田の高校、横浜の大学を卒業後、合併前の旧東部町役場に入った生粋の東御人だ=長野県東御市(徳光一輝撮影)
高地プールの仕掛け人、中村昌彦さん。地元の小中学校、上田の高校、横浜の大学を卒業後、合併前の旧東部町役場に入った生粋の東御人だ=長野県東御市(徳光一輝撮影)
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高トレの聖地に

 東御市は平成16年に2町村が合併してできた。当時の人口は3万2千人。現在は3万人。市企画振興課の中村昌彦課長(53)は「合併して4万人を目指した。夢がありました。でも逆に2千人減った。若い男女が就学、就職を機に東京へ出ていく。男性は帰ってくるが、女子はなかなか帰らない」と説明する。

 起死回生策は23年、東隣の小諸市から持ち込まれた。「浅間山麓を陸上の高地トレーニングの聖地に」。25年に東京五輪開催が決まると、追い風が吹き始めた。国の地方創生交付金で29年、スキー場脇のテニスコートが国内最高標高の陸上400メートルトラックに姿を変えると、東京五輪男子マラソン代表の大迫傑(すぐる)選手(29)らが利用した。

 そしてプール。中村さんは「地元医師から日本水連、陸連、水間君。全てが縁でつながっていった」と振り返る。

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