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定年退職の受け皿会社が始めたミドリムシのナノファイバー

ユーグレナ(ミドリムシ)の培養装置
ユーグレナ(ミドリムシ)の培養装置
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 植物プランクトンのユーグレナ(ミドリムシ)に含まれるナノファイバーの大量生産に、愛媛県四国中央市の紙加工業「スバル」が乗り出した。品質やコスト、工程面で優れており、多くの製品に活用できる“夢の素材”と期待を集める。同社は、製紙業界で長く勤務し、定年退職したOBらが働けるようにと設立された会社であり、バイオ事業で新たな挑戦を続けている。

世界的研究者の協力

 ユーグレナは淡水にすむ単細胞生物で、葉緑体を持つことから植物性プランクトンに分類されるが、鞭毛(べんもう)を使って動き回る。栄養素に富んでいることが知られ、栄養補助食品や食材などとして研究・開発が進んでいる。

 大量生産は難しいとされるが、同社は、宮崎大の林雅弘教授(応用微生物学)が発見した、増殖性がよく培養効率の高い新しい株を使用し、グルコース(ブドウ糖)を餌として与える「従属栄養培養」の手法で大量生産を実現した。

 林教授はユーグレナの産業利用研究の草分け的存在。民間の化成品メーカーの研究所にいた時代を含め、研究歴は約35年間に及ぶ。世界で初めてユーグレナを工業レベルで培養し、商品として実用化にこぎつけた実績がある。

 林教授は「化成品メーカーにいた経験とユーグレナ工業化のノウハウに今回の新規株が加わることで、他の(ユーグレナの)企業とは一線を画した地に足の着いたビジネスができるものと考えている」と指摘。ユーグレナから取り出して開発した繊維「パラミロンナノファイバー」(PNF)で、化成品業界をターゲットに商品化を考えているという。

製紙業界苦境の中

 一方、スバル社は昭和60年、宇高尊己(うだか・たかき)社長(64)が専務を務める泉製紙(四国中央市)など6社が出資し、定年退職した人が働ける場所として設立された。5月現在の社員は23人。お茶の紙パックや便座シートなど紙加工を事業内容としている。

スバルが製造しているお茶パックと便座シート
スバルが製造しているお茶パックと便座シート
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 同市は大手製紙会社が立地し、紙・パルプ産業の集積地として有名だ。しかし、近年は少子化や情報通信技術の進展などが影響。製紙会社の数の減少などがあり、宇高社長は「業界全体は徐々に右肩下がり」と感じている。

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