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【経済インサイド】5G電波が届かない 携帯各社が目指す「カバー率9割」の独り歩き

5G基地局の設置工事(NTTドコモ提供)
5G基地局の設置工事(NTTドコモ提供)

 携帯電話各社が今年3月から本格サービスを始めた第5世代(5G)移動通信システムの普及をめぐり、携帯各社が宣伝する「1、2年後にはカバー率9割を超える」という数字が独り歩きしている。5Gの通信基地局設置における総務省の指標が4Gから変更されたことで、現状の4Gのように一般の人が生活の中で5G対応のスマートフォンを当たり前のように使えるとは限らないというのだ。

 「数歩移動したこちらの方が電波が強いですよ」

 5Gの本格サービスが始まったばかりの3月末。都心のある携帯電話ショップの店員が、スマートフォン端末を試そうとした記者を案内してくれた。わずか数歩で通信速度が倍近く変わっていた。

 NTTドコモが5Gのサービス開始を発表したときも、利用エリアは「○○ビルの2階」といった表示だった。裏を返せば、別のフロアでは5Gの電波が届いていないということだ。

 消費者にとって、どこで5Gが利用できるのかは大きな関心事だ。ところが、基地局設置の進捗状況を示す総務省の指標が従来の4Gのものから変更され、これが利用者を迷わす要因となりそうなのだ。

 4Gまでは、対象地域の定住人口を元にした指標の一つ「人口カバー率」を採用してきた。一方、5Gでは、全国を一律に10キロ四方の4600の区画に区切り、電波法で定められた5G特定の周波数を使用する高度特定基地局などの設置で判定する「基盤整備率」という指標に変更された。

 なぜ、指標が変更されたのか。5Gの普及に関しては、自動運転や遠隔医療、工場や農業などでの遠隔管理などが期待されている。こうした地域は、山間地や過疎地、農場、工業地帯といった居住者の少ないところが多い。総務省の担当者は「人口カバー率を重視すれば、大都市部の整備が優先されるため、基準を改める必要があった」と理由を明かす。

 総務省は、5G電波の免許交付について、5年後の基盤整備率が5割を達成することなどを提示した。達成するためには、東京、大阪、名古屋といった大都市だけではなく、地方もそれなりにカバーする必要がある。

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