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【経済#word】人流ビッグデータ コロナ対策「新たな武器」

 感染拡大対策として注目を集める人流ビッグデータだが、もともとは各社がマーケティングに活用できるサービスとして企業などに販売していたものだ。いつ、どこを、どんな人が多く訪れているのかを知ることができるため、提供を受けた企業にとっては出店判断や店の営業時間を決めるのに役立つ。また、自治体が観光客誘致に活用したり、災害時の避難所の人数推計に用いたりするなど、活用の幅は広がっているという。

 新型コロナの感染拡大対策では、各社のデータを読み解くと、政府によるイベントや外出などの自粛要請を受けて多くの地域で人出が急激に減少した状況や、他地域に比べてあまり減っていない場所、自粛が長期化する中で再び外出が増加する状況などが浮かび上がった。内閣官房の担当者は「データにより状況に応じた的確なメッセージを国民に出せた」と語る。

 政府が緊急事態宣言を初めて7都府県を対象に出したのは4月7日。政府はこの直後から内閣官房のコロナ対策のホームページを通じて、対象地域の人出情報を国民向けに提供している。明確な数字として示される人出が減っているという情報は、我慢を強いられる国民にとっても「自分だけではない」という励みにつながったとみられる。

個人情報保護に配慮

 ただ、こうした情報を活用する際には、プライバシーの保護に細心の注意を払う必要がある。例えばドコモの場合、データの提供時に電話番号など個人の識別につながる情報は含めず、生年月日は年齢層に変換。人数が少ないエリアは個人が特定されやすくなるため、情報を削除するなどの対応を取っている。

 こうした配慮を行いつつ、スマホを活用した感染症対策は今後も予定されている。政府が6月中旬に投入する、感染者との濃厚接触の可能性を知らせるスマホ向けアプリだ。アプリの利用者同士が1メートル以内の距離で15分以上接すると、無線通信(ブルートゥース)で互いのIDを記録。2週間以内に一方の感染が分かれば、もう一方の端末にその事実を知らせる仕組みだ。感染者の早期発見が不可欠なクラスター(感染者集団)対策の「カギとなる」(安倍晋三首相)と期待されている。

 ただ、アプリは多くの人に使われなければ十分な効果は期待できず、普及が課題となりそうだ。

 人流ビッグデータの集め方は大きく2通りある。一つが携帯電話の基地局を使った方式で、NTTドコモが採用している。携帯電話は電話やメール受信のために常に最寄りの基地局と通信している。その特性を活用したのがこの方式で、基地局が受信した電波から、電話の台数を集計、地域ごとにドコモの普及率を加味することで人の多さを推計する。電源が入っているドコモの携帯電話であればすべて集計されるため、集められる情報が多いという特徴がある。

 KDDIやAgoopなどは、利用者の許可を得た上でスマートフォンのGPS機能を使って収集。この方式は「原宿の竹下通り」などピンポイントで人出を推計できる利点がある。(経済本部 蕎麦谷里志)

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