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【日本語メモ】ハンマーは「ハマー」?

 先日、遅ればせながら日本中でブームとなった、あの映画のDVDを見た。「ボヘミアン・ラプソディ」である。映画を見ながら、劇中描かれる英国のロックバンド、Queen(クイーン)のことをいろいろ思い出した。

 さかのぼること36年前、1984年10月。世界的な人気を誇るクイーンは南アフリカ共和国でコンサートを決行した。これは同国で敷かれていたアパルトヘイト(隔離)という白人優遇政策に対して、国連が出していた「文化的交流はボイコットせよ」というお達しに背いたものだ。

 「どんな場所であろうと俺たちの音楽が聴きたいのなら行かない理由はない」という信念で南ア公演実施を決めたというが、帰国後クイーンは英国の音楽業界からペナルティーを科されるに至った。実際にはアパルトヘイトの実態を見て学んだことが多かったといい、資金難の学校があると知って自らのアルバムの売り上げから寄付などもした。

 しかし、クイーンはこの南ア公演による逆風もあって、勢いが落ちた。その窮地を挽回したのが映画のクライマックスに出てくる85年7月13日の世界的チャリティー公演、ライブエイドだ。ライブエイド開催のきっかけとなったチャリティーレコードの制作は、当時エチオピアの飢餓に心を痛めた発起人であるアイルランド出身のロック歌手が呼びかけて始まった慈善活動だった。

 ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたステージはファンにとって伝説となった。

 ライブエイドで演奏された1曲が「ハマー・トゥ・フォール」。フレディ・マーキュリーさんが「ヘイヘイヘイヘ~イ! ハマルフォー!」と曲に入る直前に叫ぶ「あれ」だ。84年リリースのアルバム「ザ・ワークス」収録のこの曲は日本発売当時の販促用チラシには「ハンマー・トゥ・フォール」とあるが、なぜか近年ではCDなどでの表記が「ハマー」となった。

 仕事柄、こだわってしまうのだが、外来語であるハンマーの新聞紙面表記は「ハンマー」だ。「hammer」の実際の発音は「ハマルフォー!」と聞こえたように「ハマー」に近いが、例外で「ン」を残し「ハンマー」とする。ルール上、はねる音「ン」は原音ではっきりしているもの以外は省略するが、外来語として一般化しているものはそれに従う。また、つまる音の「ッ」も同様の扱いだ。もっともネイティブスピーカーは「ッ」と発音する概念がないらしい。

 さて映画と実際のライブを見比べて気づいたことがある。フレディさんは『ボヘミアン・ラプソディ』を歌う前にキーボードの音量を左手で調整するのだが、フレディ役は身を乗り出すようにしてまで右手でひねっている。ライブシーンは完全コピーをうたっているのにあれはなぜなのだろう。(ひ)

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