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【マッキーの動物園日記】誕生秘話、生みの親は今も近くに

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、臨時休園に入っていた天王寺動物園は5月26日からの再開が決まりました。今は開園を前に、感染拡大防止策などを講じているといいます。

 「動物園マニア」の目線で動物園経営を進めている牧慎一郎園長が動物園誕生秘話をつづっています。牧園長が平成27年4月から産経新聞で掲載してきた動物園日記から選りすぐりをお届けします。

 今回は、象ではなく像のお話。天王寺公園に写真のような銅像が立っているのをご存じでしょうか? 動物園のお隣の大きな芝生広場「てんしば」の一角にあります。

天王寺動物園の生みの親、池上四郎・元大阪市長の像
天王寺動物園の生みの親、池上四郎・元大阪市長の像

 これは池上四郎・元大阪市長の像。警察官僚出身の池上氏は大正2(1913)年に大阪市長に就任し、3期10年務めました。この間、財政再建を進める一方で、都市計画事業、電気・水道事業、大阪港の建設などにより近代都市としての礎を確立。また、博物館や図書館などの教育施設の設置や社会福祉の充実にも取り組みました。

 しかし、私から見た池上氏の最大の業績といえば、何といっても天王寺動物園の設立(大正4年)です。

 府が府立大阪博物場の動物檻を廃止する際に、市が動物たちを引き取って天王寺公園の一角に移して設立されたのが当園です。池上市長の英断のおかげで、私が今、こうして動物園長をしていられるわけです。

 池上氏の功績をたたえるため、昭和10(1935)年、天王寺公園の一角に銅像が建立されました。今のものよりはるかに背の高い台座の上に置かれた像だったようです。

 しかし、残念ながら、この初代の銅像は昭和17年、戦時中の金属供出のために取り壊されてしまいました。現存する像は、昭和34年に、市制施行70周年に際して再建されたものです。

 このような歴史のひとコマが何げなく置かれているところは、歴史ある公園の面白いところ。動物園にお越しのついでに「てんしば」にも足を運んでいただいて、100年の歴史を感じていただきたいです。

 (天王寺動物園長兼改革担当部長 牧慎一郎、平成28年2月掲載。転載にあたり加筆修正しています)

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