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山形から新たな松尾芭蕉を探す 石澤敏弘さん(68)

松尾芭蕉と「奥の細道」の謎について語る石澤敏弘さん(柏崎幸三撮影)
松尾芭蕉と「奥の細道」の謎について語る石澤敏弘さん(柏崎幸三撮影)

 山形で多くの句が詠まれた松尾芭蕉(1644-94年)の「奥の細道」。その魅力と謎に心奪われ、観光物産振興の仕事の傍ら、研究に取り組んでいる。

 長年、山形県の観光物産協会職員として、県内の物産を県外に販売する役割を担ってきた。その経験を買われ定年後も県観光物産会館「ぐっと山形」で週末の催事イベントを担当している。2月には火災で焼失した沖縄県の首里城再建のため沖縄県物産展を開催し好評を博した。

 大学卒業後、地元新聞社に勤務、ふとした縁で衆院議員秘書となり、衆院選で議員の再選のため奔走。再選を果たしたが、自身は秘書を辞め食品会社に転職し、その後、県観光物産協会で働くようになった。

 サラリーマン生活を続ける一方、高校時代から詩や童話などの創作活動を続けてきた。夜9時に寝て、午前3時に起きる生活。外に出るとまだまだ闇の時間。早寝早起きは「代え難い、この大切な時間を執筆にあてたいから」という。

 これまで「林崎風太郎」のペンネームでさまざまな題材を自費出版してきた。自身がサラリーマンとして体験したことを含め多くの職業人の喜怒哀楽を描き、悩み、迷う大人の姿を描いたものだ。「人間だれもが壁にぶち当たる。それを様々な形で乗り越えてきた」歩みを書いてきた。

 そして7年前から、芭蕉を題材にした作品を書いている。きっかけは山形市山寺の洞窟に出かけたとき、芭蕉が詠んだ「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」を全身で感じたこと。この句を含む「奥の細道」を調べてみると、謎に満ちた旅だったことが分かり、その魅力に取りつかれた。

 以来、芭蕉探求が心から離れず、400冊以上の文献にあたった。そうして書いた歴史推理小説「無刀の芭蕉」は、主人公である風太郎が、芭蕉の句を調べるうちに、句の裏に隠された意味を解き明かす筋立てにした。さらに芭蕉と「奥の細道」の旅の謎に焦点をあてた探究書「笠にたくして」を出し、いまも続編にむけて準備を進めている。

 花鳥風月を描き、新たな俳諧の世界を築いた芭蕉。多くの句が詠まれた山形から、芭蕉に迫っていければと考えている。(柏崎幸三)

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