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執拗に本人特定、デマも拡散 「ネット私刑」コロナ禍で過熱懸念

法的なリスク

 女性の行為が軽率だったことは確かだ。

 レイ法律事務所の高橋知典弁護士は「検査で陽性だと判明し待機要請が出た後、あえて高速バスで移動していた。バス会社は車両の消毒などの対応をとらざるを得なかっただろうし、業務妨害罪に問われる恐れもある」と話す。

 その一方で、ネット上に攻撃的な書き込みをする人々について高橋弁護士は「個人情報を特定できる内容や社会的な評価をおとしめることを書き込めば、名誉毀損(きそん)にあたる可能性がある」と、くぎを刺す。

 無関係の企業が女性の職場だと名指しされた一件についても「(ネットの書き込みという)妨害により業務に支障が出るなどの実害が出れば、偽計業務妨害や業務妨害罪に該当する可能性がある」と指摘する。

拡散するデマ

 ネット上で一方的に個人を糾弾する「ネット私刑」をめぐっては、お笑いタレントの男性に対し「殺人事件に関与した」などとする事実無根の書き込みや殺害予告をしたとして平成20~21年、男女6人が脅迫や名誉毀損などの容疑で書類送検されたことで注目が集まった。

 事件や事故が起きるたびにネット上では、当事者がどんな人物なのか特定しようとする動きがみられる。問題なのは、プライバシーを侵害する個人情報をネット上に無許可でさらす行為にとどまらず、そうした過程で往々にして虚偽の情報が拡散することだ。

 最近では昨年8月、茨城県の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件をめぐり、無関係の女性を「容疑者の同乗者だ」とするデマがネット上で拡散された。この女性のSNSのアカウントには批判が殺到し、職場にも嫌がらせの電話がかかってきた。

 “攻撃”は匿名にとどまらず、愛知県の元男性市議がインスタグラムに掲載されていた女性の写真を自身のフェイスブックに添付し「早く逮捕されるよう拡散お願いします」と投稿。女性はデマで名誉を傷つけられたとして慰謝料を求めて元市議を提訴。市議は辞職に追い込まれた。

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