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【エンタメよもやま話】コロナ禍でも商機掴むストーンズ&ディラン 欧米の業界は損失約3兆円

昨年8月22日、米カリフォルニア州パサデナでライブを行った英のローリング・ストーンズ。コロナ禍でも商機を逃さず、8年ぶりの新曲「リヴィング・イン・ア・ゴースト・タウン」は大きな注目を浴びた(ロイター)
昨年8月22日、米カリフォルニア州パサデナでライブを行った英のローリング・ストーンズ。コロナ禍でも商機を逃さず、8年ぶりの新曲「リヴィング・イン・ア・ゴースト・タウン」は大きな注目を浴びた(ロイター)

 さて、今週ご紹介するエンターテインメントは、エンタメの王道、音楽業界のお話です。

 新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受け、多くのライブや音楽イベントが中止・延期を余儀なくされている世界の音楽業界。航空業界や旅行業界とともに、経済的にも最も大きな被害を受けている産業のひとつですが、そんな状況下で、商機を逃さない超ベテランとそれ以外の演奏家らの間で明確な格差が生まれています。今週の本コラムでは、そんな世界の音楽業界の現状などをご紹介します。

    ◇   ◇

 まず最初に、さすがとうならせた例から。英国のローリング・ストーンズです。米国時間の4月23日、何の前触れもなく、英の超ベテランバンド、ローリング・ストーンズが8年ぶりに新曲「リヴィング・イン・ア・ゴースト・タウン(ゴースト・タウンに住んでいる)」を世界同時配信したのです。

 楽曲名で分かる通り、新型コロナの影響でロックアウト(都市封鎖)され、世界の主要都市がゴースト・タウン化した状況を憂う内容ですが、このタイミングで新型コロナが題材の新曲を発表するというスピード感に大いに驚いた人も多かったのではないでしょうか。

 「俺はゴースト(幽霊)。ゴースト・タウンに住んでいるゴーストだ」との頭サビから「どこにも出かけず、ひとり閉じこもってる/探しても見つからないぜ/パーティーをしようにも1人っきり…」などとリアルな現状をつづる約4分間。

 ボーカルのミック・ジャガーやキース・リチャーズらメンバー4人が、今はやりの「リモートワーク」(会社から離れた場所で業務を遂行する勤務形態)で仕上げた楽曲。“オーオオー”というコーラスで始まるミドルテンポのファンキーなロックだが、後半に登場するミックのハーモニカのサウンドに、彼らの往年の大ヒット曲「ミス・ユー」(1978年)を思い出したファンも多いと思います。

 動画投稿サイトのユーチューブに公開されたミュージックビデオも、ゴースト・タウンと化したニューヨークやロンドン、パリ、大阪の新世界などが登場する優れた内容で、実際、20カ国以上で米アップルの有料配信サービス、iTunes(アイチューンズ)のチャートで1位を記録する大成功を収めました(4月27日付米NBCニュース電子版など)。

 ストーンズと言えば、日本では4月19日に配信・テレビ放映された新型コロナの感染拡大防止に奮闘する医療従事者支援のための大規模慈善公演「ワン・ワールド:トゥギャザー・アット・ホーム」では、4分割の画面で「無情の世界」(69年)を披露。その時代を先取りした試みに「ショーを独り占めした」(4月20日付英紙フィナンシャル・タイムズ電子版)と賞賛されました。その数日後に、話題性十分の新曲を発表。お見事としか言いようがありません…。

 とはいえ、ストーンズが欧米の音楽業界で“ストーンズ株式会社”と揶揄されているのも事実です。2015年4月15日付の本コラム

 でご説明したように、もともとストーンズは、ビートルズも食い物にしたバンドの米国人マネジャー、故・アレン・クラインの悪行によって、60年代中・後期には楽曲印税すらマトモに受け取れないなど辛酸をなめ続けました。

 そこにスペイン生まれの貴族の子孫で銀行家だった故・ルパート・ローウェンスタイン公爵が登場。法廷闘争でクラインを追い出し、自分がマネジャーとなって税務・財務面からビジネス戦略まで全てを改革。ストーンズを無敵の“多国籍企業”に生まれ変わらせたのは有名な話です。

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