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【一聞百見】コロナ禍の今こそ宗教が支えになる 文化時報社社長兼主筆・小野木康雄さん

 昨年8月、父親が脳梗塞で倒れて生死の境をさまよったことで、自身もその当事者となった。目の当たりにしたのは、全身がチューブにつながれて昏睡(こんすい)状態の父の姿。さまざまな思いがよぎったが、身近に胸中を明かせる人も、込み上げてくる感情を吐き出す場所もなかった。「ただ心細かった」と振り返る。

■宗教者と社会をつなぐ

記者時代、東本願寺のすす払いに挑戦する小野木さん(右から2人目)=平成24年、京都市下京区
記者時代、東本願寺のすす払いに挑戦する小野木さん(右から2人目)=平成24年、京都市下京区
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 これまでを振り返るきっかけともなった。「こうした現場で活動する宗教者の必要性を訴えてきたが、少しも実現にはいたっていなかった」と書いてきた記事が社会に浸透していない無力感も痛感する一方で、だからこそ宗教者が果たすべき役割の大きさも実感した。「宗教者に対する社会の期待感をもっと伝えたい。そのためには専門紙からも訴えかける必要がある」という決意が、僧侶を主な読者とする文化時報社に移る後押しとなった。

 大正12(1923)年創刊の文化時報は、小野木さんの社長就任を機に新たに「人生の道しるべとしての宗教専門紙」を企業理念に掲げた。小野木さん自身も「宗教者と社会との懸け橋となるような新聞を目指す」と抱負を語る。

 新型コロナウイルスが流行するなか、宗教の必要性は高まっていると感じているという。

 「感染者やその家族のなかには、社会のなかで疎外感を感じている人も多いはず。宗教者はそういう人々に寄り添い苦を和らげてほしい」

 【プロフィル】おのぎ・やすお 昭和50年生まれ、大阪府枚方市出身。関西学院大文学部を卒業後、平成10年に産経新聞に入社。大阪本社社会部や京都総局などで労働問題や宗教の取材に取り組んできた。24年には過労死問題に焦点を当てた連載「Karoshi 過労死の国・日本」で、貧困問題について優れた報道を表彰する「貧困ジャーナリズム賞」(反貧困ネットワーク主催)を受賞。交流があった文化時報社の前社長から同社の事業を受け継ぎ、令和元年12月から現職。

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