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地元復興への貢献実感 原子力機構福島研究開発部門 大熊分析・研究センター 村上絵理奈さん(25)

インタビューに答える日本原子力研究開発機構の村上絵理奈さん=福島県大熊町(芹沢伸生撮影)
インタビューに答える日本原子力研究開発機構の村上絵理奈さん=福島県大熊町(芹沢伸生撮影)

 「今の仕事は(東京電力福島第1原発の)廃炉につながっている実感がある。地元福島に役立つことが分かるので、すごくやりがいを感じている」

 日本原子力研究開発機構の大熊分析・研究センター(福島県大熊町)で分析作業を担当する。事故を起こした東電福島第1原発に隣接する職場では、事故現場のがれきや燃料デブリなどの処理に欠かせない、放射性物質の分析技術の研究や開発などを行っている。

 爆発で破壊、汚染された鉄骨やコンクリートなどはすべて放射性廃棄物。処分するには、どんな放射性核種が、どんな物質にどれだけ付着しているのかなどを調べる必要がある。その技術開発を担う。「決して一気に何かが分かるわけではない。実験を繰り返し、やっとひとつの放射性核種の分析方法が分かる」という。

 福島工業高等専門学校(=福島高専、いわき市)の物質工学科(現・化学・バイオ工学科)1年のとき東日本大震災に遭った。原発事故後は、いわき市の学生寮から会津若松市に自主避難。避難所の体育館で見たテレビニュースに目を疑った。

 「まるでゴーストタウン。何が起きたのか分からなかった」。流れていたのは、当時の実家があった浪江町の映像。原発事故で町内全域に避難指示が出ていた。このとき、漠然と「古里の復興に役立ちたい」と考えた。しかし、「自分に何ができるのか分からなかった」と振り返る。

 授業再開後も模索は続いた。卒業研究で「生物系の分析」を選んだ。知識を高めようと高専の5年間を終えた後、2年間の専攻科に進んだ。そこで、放射線や津波、地震などの自然災害について学び「なぜ原発事故が起き、何が危なくて、どうして避難しなくてはいけなかったのか」などを突き詰めた。

 その過程でわいたのが「福島を元に戻す手伝いをしたい」との思い。同時に研究室の先生の助言で、学んだことを生かせる分析の仕事があることも知り、目標は定まった。

 古里復興にかける熱意が伝わり採用に。地道な仕事だが「試行錯誤を続けて必要なデータが取れたときは最高」と、充実した日々を送る。現在、実家はいわき市に引っ越した。普段は職場に近い寮で暮らすが、家族と過ごす休日を楽しみにしている。(芹沢伸生)

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