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【日本語メモ】「目減り」と「天使の取り分」

 「目減り」。辞書を引くと「物の目方や量が、取り扱い中に蒸発したりこぼれたりして減ること」「ものの実質的な価値が下がること」の2通りの意味があります。

 前者の意味では「天使の取り分」という言葉があります。「天使の分け前」ともいい、ウイスキーの世界で使われる言葉です。ウイスキーは製造時に長い熟成期間を必要とします。多くは木の樽に詰められて熟成を待ちますが、この木の樽、液体は通しませんが気体は通します。そのため熟成中に水分・アルコール分が少しずつ蒸発し、量が目減りしてしまうのです。この目減り分が「天使の取り分」です。昔の人は、樽に詰めたウイスキーが自然に減ってしまうことを説明するのに「天使がやってきて少しずつ持って行くからだ」と考えたのでそう呼ばれるようになったそうです。そして天使にいくらか差し出すことで良いウイスキーができるのだとも。ただ、熟成期間は長いほどよいというものでもなく、普通に販売されているウイスキーでは30年くらいが限度。それに、あまり長く置いておくと全て蒸発して無くなってしまうとか。

 後者は「インフレーション」が代表的でしょうか。物価が継続的に上昇して、お金の価値が下がっていくことです。辞書には「インフレで預金が目減りする」という用例が出ています。国はデフレ脱却を掲げて物価上昇率2%を目標に、金融緩和策をいくつも繰り出していますが、これはある意味インフレ推進策と言えなくもありません。

 この「目減り」について、考えさせられる記事が2つありました。1つは東京本社版で3月下旬に運動面で掲載された「角界背負う筆頭候補」という記事。春場所終了後、大関に昇進する関脇・朝乃山についての記事ですが、その冒頭に「看板力士が目減りする状況にあって、相撲界は新たなスターの台頭を求めていた」との一文が。ここでいう「目減り」とはどういう意味かと悩みました。最初は看板力士としての力量や価値が下がっていくことなのかと考えましたが、何度も読んでいくうちに、看板力士の数が減少しているということではないかと思いました。だとするとここで「目減り」という言葉を使うのは不適切です。出稿・運動部に確認したところ「看板力士が減っている状況にあって~」と直りました。

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