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【福島第1原発は今】(下)役目を終えた汚染タンクと最新技術で走る自動運転バス

処分方法が決まらず行き場を失ったタンクの横を通り過ぎる自動運転の電気バス=東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)
処分方法が決まらず行き場を失ったタンクの横を通り過ぎる自動運転の電気バス=東京電力福島第1原発(芹沢伸生撮影)
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 異様な風景が広がる東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の作業現場で、道路わきに2段重ねでズラリと並ぶタンクが目に入った。色あせてさびが浮き、ひっそりたたずむ姿からは“過去の産物”の雰囲気がにじみ出ていた。

 取材ポイントに向かう車を止めてもらい、車を降りてシャッターを切る。「事故発生当時、汚染水を入れていたタンクです」と広報担当者。事故で溶け落ちた燃料は冷やし続けなければいけない。しかし、冷却に使った水は核物質で汚染される。事故直後、大量の汚染水をためるタンクはなかった。

 一刻を争う緊急事態。融通が利く、一般的な工業用のタンク約360基を全国からかき集めた。現在、敷地内に並ぶ処理水が入ったタンクと比べると、容量は10分の1程度の100トン。それでも、当時は現場になくてはならないものだった。

 時は流れ今、汚染水は移されタンクは空になっている。しかし、内部は汚染されたまま。巨大な放射性廃棄物に行き場はない。壊し方も決まっておらず、しばらくはこのまま放置するしかないという。

 古びたタンクを撮影中、その横を小さなバスが、音もたてずにゆっくりと通り過ぎた。ナンバープレートの部分には「はまかぜe」の表示。丸みを帯びたおしゃれなデザインは、廃炉作業の現場で少しミスマッチに思えた。

 これは、国内で初めて実用化された自動運転の電気バス。福島第1原発の敷地は東京ドーム約75個分、350万平方メートルもあり、構内の移動に車は欠かせない。電気バスは一昨年4月に導入され、作業員らの移送を担っている。

 フランス製で全長4・75メートル、幅2・11メートル。乗用車よりひと回り大きい程度だが、高さが2・65メートルあるため見た目は大きく感じる。15人乗りでハンドルはもちろん、運転席もない。

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