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【経済インサイド】新型コロナ、携帯大手が若者に大盤振る舞い “青田買い”で商機も

講義を教員と学生がオンラインでやりとりする遠隔授業を行う、名古屋商科大の吉井哲教授=愛知県日進市の同大
講義を教員と学生がオンラインでやりとりする遠隔授業を行う、名古屋商科大の吉井哲教授=愛知県日進市の同大

 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社は、4月から25歳以下のスマートフォン利用者を対象にデータ通信料の一部無償化を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大によって大学などでオンライン授業の導入が広がる中、学生の通信費負担を軽減する。携帯大手側の負担は決して小さくないが、総務省からの要請を受けて即決したのは、将来の商機を十分に見込めるとの判断がある。

 「刻一刻と変化する状況に対応して、通信事業者としての責任を果たす」

 4月29日の決算会見で、ドコモの吉沢和弘社長は新型コロナへの対策に取り組む決意についてこう述べた。

 月50ギガバイト(ギガは10億)を上限に、通信データ容量の追加購入費を無料にする-。携帯大手3社の学生向け支援策の内容はほぼ横並びとなった。スマホの通信速度は、契約しているデータ容量の上限を超えると遅くなる。速度を戻すには通常、1ギガバイト当たり1000円を追加で払う必要があるが、これを月50ギガバイトまで無料にする。

 大学などでは新学期から教室に集まって講義せず、インターネット中継で講義の動画を配信する「遠隔授業」が行われている。自宅で授業を受けるには安定したネット環境が必要だが、自宅に光回線やWi-Fiの環境がなく、スマホで聴講する学生も少なくない。

 だが、1カ月分の大学の授業をオンラインで受講するには「少なくとも30ギガバイトが必要になる」(関係者)との見方もあり、学生にとっては大きな負担だ。

 総務省は、大学などからの通信環境整備の要望が寄せられたことを受け、4月3日に携帯会社に支援を要請していた。

 支援策をめぐっては、現時点でKDDIとソフトバンクが無償化の期間を5月末までとしているのに対し、ドコモは6月末までとするなど、若干の違いがある。一方、条件については25歳以下の利用者というだけで、年収や利用目的などは定められていない。

 データ容量の追加料金を無料にすれば、その分、ユーチューブの視聴やオンラインゲームに使われるだけという懸念もあるのは確かだ。とはいえ、逆に制限を設けるとシステム対応などで時間を要する可能性もあり、「とにかく支援のスピードを重視した結果だ」と携帯大手担当者は説明する。

 だが、ここで着目すべきは、総務省が携帯大手と水面下で調整を始めたのは正式要請の「わずか数日前くらいだった」(関係者)にもかかわらず、3社が足並みをそろえて、支援を即決している点にある。

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