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【日本語メモ】ふと一抹の寂しさを覚えた

 テレビ番組で超ベテラン歌手が出演する際、「祝!生誕80周年 ○○○○」とテロップが出たという事例がありました。「生誕」は「誕生」と同じ意味ですが、対象が人間に限定されます。辞書によっては、既に亡くなった偉人や著名人に対して使うとしていますし、感覚的にはそういった印象があります。ただ、使われ始めた当時はそうだったようですが、今は特にそういった縛りはなくなっているようにみえます。気になって調べてみると、最近は若いアイドルにも「生誕20年祭」などと使うようです。違和感はありますが、一般化しているのかもしれません。

(1)上場益にあやかろうと、新興業種株に 投資家の注目が集まる。

 「あやかる」は「影響を受けて同様の状態になる。~ふつう、よい状態になりたい意に用いられる」(大辞泉)と定義されています。例文としては「Aさんの幸運にあやかりたい」などが考えられます。今回の「上場益にあやかる」はニュアンスが違います。上場益が欲しい、関わりたいという意味なので、「関与する」「受ける」という意味の「与る=あずかる」に直しました。

(正解例)上場益にあずかろうと、新興業種株に 投資家の注目が集まる。

(2)査証欄が埋まったため、パスポートを増刷した。

 これは、海外遠征の多いスポーツ選手の記事で出てきた表現。パスポートの査証欄がスタンプでいっぱいになったため、ページを増やしたということです。「増刷」は「追加して印刷すること」(大辞泉)。この場合は白紙のページを増やしただけなので、「新しく加え、また、補うこと」(日本語大辞典)という意味の「増補」に直しました。実際、パスポートセンターのホームページにも「増補申請」の説明があります。

(正解例)査証欄が埋まったため、パスポートを増補した。

(3)2500個の風鈴が、一抹の涼を演出していた。

 (3)「一抹」は「(絵筆のひとなすり・ひとはけの意から)ほんのわずか。かすか」(大辞泉)の意味。用例としては「一抹の不安が残る」「一抹の寂しさ」などが挙げられます。慣用表現として不安や寂しさなど暗い心情を伴うことが多いので、このケースでは「ささやかな」と書き換えました。「一服の清涼剤となっていた」という表現でもいいかもしれません。

(正解例)2500個の風鈴が、ささやかな涼を演出していた。

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