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「努力で追いつくのが日本人」 武田薬品、湘南アイパークと光工場のこれから

未来を創る<4>

 少子高齢化が進み、国内市場が縮小する中、多くの日本企業がグローバル化を進めてきた。武田薬品工業も国際競争での生き残りをかけグローバル企業に変化した。今、新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界では反グローバル化が促されるのではないかという見方もある。しかし、グローバル化した製薬企業には、命や健康を守る新薬開発を世界規模で進め、世界に届ける責任がある。

よぎる不安「グローバルで戦えるのか」

 山口県の東南、瀬戸内海に面した光市に、武田の国内最大の製造拠点、光工場がある。敷地は約100万平方メートル。甲子園26個分の広さだ。薬の有効成分の素となる原薬から、ワクチン、バイオ医薬品まで幅広く製造し、国内外に届けている。

グローバル化する光工場。原薬からワクチン、バイオ医薬品まで幅広く製造し、梱包までできる主要工場となっている
グローバル化する光工場。原薬からワクチン、バイオ医薬品まで幅広く製造し、梱包までできる主要工場となっている
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 武田は現在、スイス・チューリヒに製造部門の基幹オフィスを置き、アメリカ、アイルランド、ドイツ…と世界30カ所以上に製造拠点を持つ。そのうち光工場は異物混入をAI(人工知能)の画像解析を使って防ぐシステムを導入するなどデジタル技術の導入で先駆的な存在となっている。

 「光工場の取り組みが武田のほかの海外工場にも取り入れられることも多い。デジタル技術では世界各国にある武田の工場をリードしたい」と藤原英喜工場長は説明する。

 「この工場は世界で戦えるのか」

 クリストフ・ウェバー社長は数年前、初めて光工場を訪ねたときにこう不安に思ったという。グローバル企業の製造拠点を担うには、各国の規制当局にその品質管理能力を示し、承認されなければならないが、終戦直後の昭和21年に開設した工場には旧来のルールも多く、従業員のほとんどが英語を話せなかったからだ。

武田薬品工業の大阪工場で新設される工場棟の地鎮祭に出席したクリストフ・ウェバー社長。=令和元年5月、大阪市淀川区
武田薬品工業の大阪工場で新設される工場棟の地鎮祭に出席したクリストフ・ウェバー社長。=令和元年5月、大阪市淀川区
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 その後、光工場では幹部の中途採用を積極的に行うなどグローバル化を急いだ。それまでは担当者の感覚や努力に頼りがちだった作業も、スイスなど海外拠点のマニュアル化された合理的な方法を取り入れ、機械の自動化も進めた。

 日本の製造部門のトップを務めるグレッグ・ティモンズ氏は「世界の他の拠点と生産性や品質の向上を競いながら、互いに良いところを取り込んでいく。これがグローバル化のメリット」と語る。また、自動化などにより従業員に勤務の余裕が生まれると、業務改善に向けて新しいアイデアが出てくるようになったほか、英語学習に積極的に取り組む姿も増えた。

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