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東京都内の住宅火災死者7年ぶり80人超 寝たばこで避難障害も

 昨年、東京都内で起きた住宅火災の死者数が83人に上り、平成24年以来7年ぶりに80人を上回ったことが、東京消防庁のまとめで分かった。たばこの不始末が原因の死亡火災は4割超を占めており、いわゆる寝たばこが疑われるケースも倍増していた。同庁は「寝たばこ火災は発見が遅れがち。火災に気づいても一酸化炭素(CO)中毒で避難できなくなる可能性がある」と警鐘を鳴らす。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などの影響で自宅で過ごす機会が多くなる中、改めて注意が必要だ。(松崎翼)

 同庁によると、昨年都内の住宅火災で亡くなったのは前年比17人増の83人で、約42%の35人(同9人増)が、たばこの不始末が原因だった。このうち16人(同9人増)は、寝る直前に吸ったたばこの火種が布団などに落ちて発生する寝たばこ火災だったとみられ、約半数が焼死ではなく、CO中毒で亡くなっていた。

 寝たばこによる火災は、着火しても炎が出ない「無炎燃焼」を引き起こすことがある。無炎燃焼中は煙が若干漂う程度で、目に見える変化がほとんどないため、発見が遅れる傾向がある。

 さらに、寝たばこ火災の死亡率を高めるのがCO中毒による「避難障害」だ。

 8畳程度の部屋で掛け布団と敷布団の間に点火したたばこをはさみ、無炎燃焼を再現した同庁の実験によると、約30分後、室内全体のCO濃度は自覚症状が現れない程度だったのに対し、布団に寝ている人の口元付近のCO濃度は、激しい頭痛が起きて運動能力を失うほどの高濃度に達していた。

 寝たばこ火災をめぐっては、独居の高齢男性が命を落とすケースが相次いでいる。30年には、都内の自宅で酒を飲みながら喫煙していた60代男性がそのまま寝入ってしまい、たばこの火種が布団に落下。無炎燃焼が起きたことに気づかず火事になり、全身にやけどを負って亡くなった。男性は1人暮らしで、住宅用火災警報器を設置していなかったという。

 こうした事態を防ぐため、同庁は住宅用火災警報器を各部屋や階段に設置することや、繊維を防炎性の薬品で加工するなどした「防炎品」の寝具の使用を呼びかけている。担当者は「寝たばこ火災は、火災に気づいても逃げることが困難になる。危険な寝たばこ行為自体を控えてほしい」と訴えた。

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