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【日本語メモ】「しゅうそく」への道は遠く

大阪・道頓堀の大型モニターに映し出される、全国に拡大した緊急事態宣言についての安倍晋三首相の記者会見=17日午後、大阪市中央区(恵守乾撮影)
大阪・道頓堀の大型モニターに映し出される、全国に拡大した緊急事態宣言についての安倍晋三首相の記者会見=17日午後、大阪市中央区(恵守乾撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。そして、このニュースに毎日、校閲部は用字、用語の面から向き合っています。

 例えば、 カタカナ語をよく使う小池百合子東京都知事の記者会見。「オーバーシュートを防ぐには都民の協力が必要」「ロックダウンについては、今すぐということではない」。これを日本語で言うならば「爆発的患者急増を防ぐには都民の協力が必要」「都市封鎖については、今すぐということではない」となります。他にも「パンデミック(世界的大流行)」、「クラスター(感染者集団)」…。 カタカナ語の連続に高齢者からは「わかりにくい」という批判の声も聞かれますが、今やニュースでは日常的に使われ社会に浸透しつつあります。

 また、今回のニュースで必ずぶつかるのが「しゅうそく」の言葉です。この時、漢字は「収束」か「終息」、どちらなのか実は悩むところです。

 今まで「収束」は〔おさめる〕、混乱・事態を収束。「終息」は〔終わる、絶える〕、悪疫・戦火が終息、として使い分けをしてきました。今回の新型コロナの拡大は単なる疫病の問題ではなく、政治・経済・社会にも大きな影響が出ており、今までの使い分けが適用しにくいと感じています。

 「終息」は「(疾病の流行が)完全に終わる、完全に制圧する」という意味合い。一方、現在の新型コロナウイルスには特効薬もなく、世界中で感染が拡大している状況のなかでは「一定の制御された状態」を意味する「収束」がよいのではないかと意見が校閲部内でも多数派です。収束を何度か繰り返し、最終的に終息するという解釈です。しかし、例えば識者の方が談話で「しゅうそく」を使っている場合、それが「収束」か「終息」かを判断する材料がありません。本人以外はわからないでしょう。

 一応「収束」を使用することを原則としますが、きっちり「収束だけに統一」というわけにはいかないのが実情です。

 長期化も覚悟のうえ、先を見通せない今の状況。まずは収束、やがて終息宣言へ。それを願うばかりです。(き)

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